こんどうゆみか『弱虫ヒーロー』【感動ストーリーソングの秀作だけど、なんかむずがゆい】
感動を生む効果的な手法とかテーマとか、そういうのを全部詰め込んだような秀作だ。多くの人がこれに感動するだろうし、一般的にはこれで正解なのかもしれないが、ひねくれ者の自分にはどうにもリアルを感じない。子供の側から見た、親との関係性はどう ...
住めば都ズ『アイドリングボーイ』
【すっ飛びかっ飛び加減がとてもカッチョ良いシンプルロックンロール!】
住めば都ズ。この名前だけでグッとくる。なんでだろうか。理由はよくわからないんだけれどグッとくるのだから仕方ない。大阪のバンドであるらしい彼らが古いワーゲンバスに乗ってどこかに行くMV。曲は至極単純というかシンプルというか、特にひねりも ...
Sunset Neon『Never Dance Again』【バブリーなイメージも浮かんでくるこの一時代前風の音】
80年代テイストなフレンチハウスっぽさを漂わせるエレクトロミュージック。この「なつかしいシンセサイザー感」が耳から離れない。誰なんだ、と調べてみると、Blue Stahli名義で活動をしているBret Autreyの別プロジェクトらし ...
セットラウンドリー『ねえ、僕は。』【単純に美しいメロディ】
単純に美しいメロディ。サビの部分もサビじゃない部分も均等に力を振り分けられた印象の歌なので、ズドンとささるということは特に無く、でもじんわりと響いてくる。こういう曲は今のシーンにどうなんだろうか。とかく速かったり、とかく圧迫的であるよ ...
YeYe『うんざりですよ』【曖昧な共感の下に、どうでもいいことにこそ沈思を】
「海」でもない「岸」でもない場所に、功利主義でもない平等主義でもない場所にティーカップを置くと、おのずとその跡型から対話の芽吹きが感じられることがある。「すぎる」とポリティカル・コレクトネスの配慮がなさせる瀬に、「すぎない」節度の表現 ...
椎名林檎『人生は夢だらけ』【自由も夢も、囲い込まれることなく幅広い場所でのそれであってほしい】
個人的には椎名林檎はもう終わってると確信しているのだが、それでも時々こうして耳に留まって離れないような曲を作るから、それは僕の確信などが何の根拠もない的外れなものでしかないということを如実に示しているのだろう。この曲で歌われている「人 ...
下須万里子『スタートライン』
【再生毎に高評価ボタンを押したいのだけど、一回しか押せないのね】
ラーメンと俺との間に、こだわり素材の解説は不要。っていうか、店内の自己実現系ラーメン的なポスターの表現欲求が、店長のInstagramなのだろうなと思った。帰り道、歌と自分の間にノイズは要らないなと好きなアーチストのSNSをフォロー外 ...
ソウルフード『筆を執れ』
【気楽にBGMとして流して聴けるようなものとは違った、圧力を持った曲だ】
表現者の立場というのは一体どうあるべきだろうと考えることがある。受け手のことを考慮せずに純粋な自己表現をしていいのか。それとも受け手の代弁者として仮託されるような表現をすべきなのか。仮託されることを狙いすぎてはリアルさを失ったマーケテ ...
Baths『Out』【真摯な態度に基づいたエレクトロポップの世界観は、胸を打つほどに豊かでうつくしい】
以前、Geotic名義の曲を紹介したが、今回はBathsとして。4年ぶり3作目のアルバムが発売されている。彼は日本の文化(というかアニメ)が大好きらしく、アルバムの曲には「(碇)ゲンドウ」という歌詞が出てくるほどだ(しかもその曲名は「 ...
Azami『カガミグサ』【美しく激しい新ジャンルとさえ感じられる】
冒頭からドラムの乱打。激しいサウンドにこのギターはメタルに違いないと思うが、違う。シャウトにはほど遠い綺麗な声が流れてきて、こういう組合せ面白いなと不思議な感慨に襲われる。そうかと思うとスクリーモが始まって、それまでの歌声の澄んだ印象 ...