chelovek.『tiny ritual』【グレイトなバンドへの成長過程にある、ヒネクレつつも心地良いバンド】
バンドにとってこだわりがあるというのは良いことでしかなくて、だってこだわりの無いバンドの音楽なんて聴きたくないでしょうそうでしょう。でも程度問題というのもあるわけで、こだわりがヒネクレになって、ヒネクレがヒネクレそのものに価値を見出し ...
My Hair is Bad『戦争を知らない大人たち』【秩序や共同体が壊れるときに人は何に向かうか】
“戦争を知っている大人たち”の一人として、秩序や共同体が壊れるときに人は何に向かうか分かるだろうか。支え合いや互助もあれども、結局は痛覚への「麻痺」だと感じる。現実感の麻痺。目の前に起きていることに思想が追いつかない。ギターノイズに塗 ...
ARB『乾いた花』【小さなステージで、ファンの熱気と揉みあいながらのライブが似合ってた】
ARBのライブを最初に実際に見たのは後楽園ホール、ボクシングの聖地でステージはリングだった。その後何度か観て、最後に観たのは解散した代々木体育館大ホール。なんだろう、違和感をずっと持っていた。バンドは活動して知名度が上がり、当然のよう ...
おやすみホログラム & Have a Nice Day!『エメラルド』【『過ぎてみたら一番楽しい頃』を真空パックにした現場タイムカプセル】
おやすみホログラムがきっちり堂々とテクテクくるくるしているMVが好きなのだけど、Have a Nice Day!とのコラボ曲でのライブハウスでのMVは完全に射抜かれた。これくらいのキャパシティ、これくらいのライブ装置、これくらいのビデ ...
ゆいにしお『タッチミー』【見ていて微笑ましくなる、出発点に立つ人の懸命さと初々しさ】
英語の発音がイイのかそれとも単に舌足らずなのか、それはよくわからないんだけれども結果的にとても耳に心地良い。曲としては実にシンプルで、ただ「タッチミー」を繰り返すこの曲が単調に聴こえたり飽きたりしないのは、言葉とリズムの響きとボーカル ...
Fever Ray『To The Moon And Back』【ジャケット&MVは怖すぎて鳥肌ものだけど、音は気持ちいい!】
アルバムジャケットが怖くて怖くてたまらない。この恐怖を共感してもらえるかはわからないが、どうか検索して実際にご覧いただきたい。一応軽く説明しておくと、アップの女性(本人)の顔、その一面にひび割れた線が描かれている。よく見ると「Feve ...
Ancient Youth Club『Manhattan』【これからどういうキャリアを歩んでゆくのか、楽しみになる】
2016年のEP『For,Emma』からの「Stay」も話題になった佳曲だったが、あくまで個人的にはこの『Manhattan』の色気とリズム感に心を揺らされる。まだまだこれからのバンドゆえに曲によって振れ幅や未知数なところはあれども、 ...
GRAND FAMILY ORCHESTRA『ユリーカ』【複数の錯綜する感情を同時に持っていた方が】
この声は喉のどこを通って音になっているんだろう。最近はそんなことを考えてしまうボーカリストが多いように感じている。このバンドのボーカル松山晃太もそんなひとりだ。傾向としてはT.M.Revolution西川貴教の声に近い。かすれ系という ...
のん『スーパーヒーローになりたい』【イメージ通りの方言をそのまま歌っているような、超個性的な歌声】
人気者のわりには5日間で5万再生くらいってどうなんだろうか。女優の彼女にとって歌は本業ではないのだからそんなものなのかという考えもあるが、諸事情によって本業で満足に活躍できないというのだから、歌でガガーンといければ良いのにね。ただこの ...
恋は魔物『あなたには関係ない』
【形容しがたい強い意思のささやき声】
こういう声はなんというんだろうか。囁くような声、ちょっと違う。野太くはなくて、囁くように歌っているのだけれども、囁くという言葉が持っているやわらかさやか弱さが無い。強い意思が底流に潜んでいて、容易に他を寄せ付けようとしない。こういうの ...