小栗久美子『風』【トルンという名の、佇まいがすでに風景のベトナム竹琴】
トルンという名のベトナム竹琴。楽器の佇まいがすでに風景。マリンバを縦に吊るすというか、ハロン湾に浮かぶ帆船?!えーともっと身近なサイズの、干して、乾かしているような、港町できれいに吊るされ整列された魚の干物を見た時の、いい匂いのあれだ ...
印象派『球状』
【なるほど、これが彼女たちの新しい音楽性の開始を意味しているのかも】
これまでビートの効いたダンスミュージック(?)を凝ったMVとともに世に送り出してきていた(と僕は思っている)関西の女性2人ユニット印象派の、この新曲はいったい何なんだろうか。ニューアルバムの中から以前に公開されていたMV『檸檬』は京都 ...
The Horrors『Something To Remember Me By』【2作目で化けた。恍惚へと導かれるような、浮遊感あるギターロック】
彼らのイメージは定まらない。デビュー時はゴシック感ごりごりの衣装に身に包み、ダークテイストな曲によって注目を集めたが、ずっとこのままの感じでいくなら飽きられるだろうな、という印象もあった。そんな私の(勝手な)思いが届いたはずもないのだ ...
空中メトロ『Take off!』【成功するバンドと解散するバンドと、どこが違ってるんだろうなあ】
空中メトロ、キュートだなあ。この曲とほぼ同時期に公開された『undying love』では衣装を着てスタッフに囲まれてスタジオで撮影するというシチュエーションのMV。それと較べてこの『Take off!』ではかなりナチュラルな風情。い ...
ミズニ ウキクサ『凍る海』
【それぞれの音が独立することで全体に馴染んでいった個性的なボーカル】
ベースとドラムの2人という組合せが自由だなあと感じさせる。ギターの音は鳴っているのだしMVの中にもギタリストが映っているわけで、サポートという形での必要な音の手当はするのだろうけれど、固定メンバーはベースとドラムだけでOKというのは、 ...
土岐麻子『STRIPE』【最近の動く土岐麻子のMV貴重です!】
今年1月にリリースされたアルバム『PINK』がものすごく良くて個人的ヘビーローテーションが2ヶ月くらい続いた土岐麻子。残念なことにここ数年MVがほとんど公開されてなくて、だからPINKの時もレビューしなかったんですけれども、この夏にリ ...
オモイメグラス『earphonic』【自由がゆえの完成度、ということなのかもしれない】
なんという完成度だろうか。いや、完成度という言葉は適切じゃないのかもしれない。何をもって完成というのかはよくわからないのだけれども、これがラジオ、いやストリーミング配信のプレイリストから偶然流れてきたなら、一瞬聴き流してしまって、そし ...
SUKISHA『4分半のマジック』【ロックバラードの上に成立しているファンクミュージック】
ファンクだ。でもどファンクではなくて、ポップなファンク。30年くらい前に久保田利伸が出てきた時となんか似てる。日本でやっとロックバンドが市民権を得始めたあの当時の日本の若者に対して久保田のファンクが与えたインパクトと、現代のようにあら ...
Death From Above『Freeze Me』【実験性とポップさのバランスを崩さないダンサブルな一曲】
Death From Above1979が数字部分を除いた名義になった。活動スタート時のものに戻した、ということらしい。ファンの皆さん共通の通称かどうかは知らないが、個人的には「デスアバ」と呼んでいたので、この改名に何の支障もなかった ...
CuBerry『光の街』
【何それ? 楽しくいるのが一番ですよ】
なんだろうこの軽やかさ。この数十年で音楽には様々なジャンルというものが生まれて細分化されてて、その中で自分たちはどのような立ち位置で音楽を生み出すのかということを多少なりとも考えるということがもはや必然となっていて、なぜなら、それを考 ...