ecke『ACCESS』【涼しくなるこの季節にマッチする、古いアルバムを思い出させた1曲】
この気怠いミュージックが、夏の名残を懐かしむこの時期にとてもフィットする。サウンドのテイストはシティポップのそれなのだが、そのテイストを蹴散らす勢いの存在感で迫ってくるのがNao Moriのボーカルだ。この鼻にかかるような独特の歌声を ...
Grizzly Bear『Neighbors』【退屈とは無縁の躍動するリズム、なんと懐の深いバンドだろうか】
やさしくうねるようなギターの進行とやわらかい音色。憂いのある歌声。透明感のあるコーラス。退屈とは無縁の躍動するリズム。それらの要素が重なり「完成」された曲だ。うっとり聴き入ってしまうし、心地よいバックグラウンドミュージックとしても、ま ...
MOLE HiLL『モノゴコロ』【ストレートに真正面から前向きなメッセージをズドンと】
ボーカルとよく似た子供が登場するMVで曲のタイトルがモノゴコロ。斜に構えて評するなら割とベタ。だが、そんな斜に構えたシニカルな評が哀れに思えてくるほど、彼らはストレートに真正面から前向きなメッセージをズドンとやってくれている。登場する ...
空中カメラ『恋するシャボン玉』【君との距離を楽しんでる ぼくら恋をしてる】
たとえば、苛立ち、どこかピリピリと神経が張り詰めているときに食事を、と思うと梯子を外すとうまくいきやすかったりする。相手がラーメンか丼の眼をしているときに、ベトナム料理のお店があってカレーもありますよ、となんてリーディングすれば、それ ...
白瀬百草『hoshinoie』
【まだ何でもない自分を何かに合わせていくことへの抵抗】
ゆっくりとしたギターにゆっくりとした歌が載ってくる。これをスローと呼ぶのかルーズと呼ぶのかは人によるのだろうし、どちらかに完全に決めつけることも個々の人自身の判断としても難しいのだろう。20歳前後の女性が華やかに世の中に出るひとつの手 ...
Wintergatan『Marble Machine』【3000個のビー玉を転がしたり、ベルトコンベアで運んだりして】
昨今の「YouTuberになりたい」という言葉、「BANDやろうぜ」に近いものを含んでいるような気もする。企画や主張よりも「自分が受け手として楽しんだものになりたい」というほのぼの幼稚な憧れ水域。だけど、見ていた誰かを目指す人ではなく ...