虎の子ラミー『ヒモになりたいZE☆』【どのクラスで暮らすクラスタにも等しく危機感不安感が】
イチローも悩むし、たけしも事故るし、マイケル・ジャクソンなどひとりで死んでしまった。あのスティーブ・ジョブズでさえ病気で死んでしまう。成功して、なんでも手に入る社会的地位の人にも悩みは存在する。穀潰し者の「なんか平和だけど、将来が不安 ...
Fkj『Skyline』
【もはや目的地も過程、勿論、終わりもなく、続く音楽】
動物行動学者のコンラッド・ローレンツ『鏡の鏡面』を或る契機で読み返していて、人間という生物を鏡に映したときに見えないだろう背後についての考察をすすめたもので、端的に、今、その背後にさえ別の主体が影響しているようで、実のところ、主観とは ...
フラワーカンパニーズ『ハイエース』【今この瞬間を意地で生きているすべての人への力強いエールのような曲】
フラカンはいまもハイエースに乗っているのだろうか。
バンドがツアーで全国のライブハウスを回るとき、新幹線で移動なんていうのはごく稀なケースで、大抵は交通費をできるだけ切り詰めた手段を考える。初ツアーではメンバーの誰かが持っ ...
徳永憲『雪の結晶』【表現とは、シビアな現実を克明に表し鏡像化するだけではなく、うつし世を反映させる側面もある】
溶けて消えてゆくんだね
なにより、彼の消え入りそうな声でのこのリフレインが妙に染みる。
しかも、久しぶりにして待望といえるアルバムのリードに冬を先取るという「雪の結晶」というのが彼らしい。徳永憲もサヴァイヴして ...
かろうじて人間『横浜よこよこ』【一種の禁じ手を敢えて冒しているのではないだろうか】
不思議な非現実感が漂う。対立するような概念の言葉が交互に並べられてて、その連続が一定のイメージを思い浮かべることを妨げているのだけれど、ずっと聴いているうちにその「イメージが像を結ばない」ということこそひとつの表現なのではないだろうか ...
LCD Soundsystem『tonite』【ノリは以前のまま、ハイテンションな楽曲で見事に復活!】
かつて、いぇーいぇーいぇー、とだけ言ってるような曲(あまりにおおざっぱすぎる説明だが)を作った、その精神は健在なようだ。活動休止を経て、見事に復活。7年ぶりとなる新作全体に言えることだが、以前のノリで戻って来てくれるのがうれしい。こち ...
ルルルルズ『誰もしらない』【自然体に回帰した印象のある、3年ぶりの新曲】
ファーストからずいぶん待ったぞルルルルズのセカンド。そしてこのMVはずいぶんお洒落な雰囲気に満ちていて、ルルルルズってこんな感じだったっけという気がしないではないが、その予想外は期待外れとはまったく違って、むしろ嬉しい。まあ一般にポッ ...
BUGY CRAXONE『ぼくたち わたしたち』【歳を経験を重ねていく人たちの音楽はひと味もふた味も】
BUGY CRAXONEを一言でいえば、不器用なバンドということだろう。すずきゆきこの特徴あるハスキーなボーカルがとても魅力的だし、サウンドもかなり硬派で、意識的にリスナーに届く曲を適切に出していけばもっと違った今になっていただろうと ...
BECK『Dear Life』【満遍ない安心はでも、もはやどこにあるのだろう】
「絶対」という概念には果たして意味があるのか。絶対に“されてしまう”と、おそらく、歩ける幅がせばまる。帰り道にこのルートを必ず辿るという人、白線だけを踏んで帰ろうなんてこともあったような、今もあるようで、では、寄り道を不意にしてしまっ ...
blue but white『miss you』【もしたった1曲で姿を消したとしてもこの曲が残るなら】
とにかく失敗の連続で、できることならなかったことにしたいことばかりで人生はできている。だけどいちど起きたことはなかったことになどなる訳も無く、なかったことにしたいような出来事への評価ばかりで、誰かから見た僕の評価もできてしまっている。 ...