アシタカラー
 
『星明りのワルツ』
 生きていれば嫌なことも多かろう。そんなことを全部受け止めてやると、この歌は歌っている。歌ごときで全部受け止められるわけはなかろうとか、気にしないわけにはいかないんだよとか、ツッこもうと思えばいくらでもツッこめる。しかし、そうだろうか。毎日毎日悩んでいたり困っていたりするものだが、不思議なことに1年前の今日自分が何に悩んでいたのかなんていくら考えてみても思い出せない。だから今の悩みも1年後には思い出せない程度のものでしかないはず。それでも、今この瞬間は今の悩みに頭が占められていて……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『パスタ』
 サラリとしたテイストが1曲5分18秒を通して変化することなく貫かれている爽やかポップ。これが愛だよこれが恋だよと強い言葉でぶつかりあいながら交錯していく激しい男女の関係というものももちろんあるでしょうが、実際にはほとんどのケースでは大きな山も谷も無く、なんとなく時間がたださらさらと経過していくのではないでしょうか。だからそこにドラマが無いのかというとそういうこともなく、そこはかとないドラマによって日々は作られていくもので、そんなことを、この曲を聴きながら……
 
  (レビュアー:大島栄二)