小沢健二
 
『ラブリー』
 で、年末になって突然現れてきた動くオザケン。なんだなんだ。満島ひかりとデュエットするラブリー。正直言おう。オザケンエラそーだな。この2人キー的な相性は良くないなあと思うし、そういう時にオザケンのオリジナルキーで歌うもんだから満島ひかりの歌声が少々窮屈に聴こえてしまう。企画を考える時に「オザケンと満島ひかり、いいっすねー!」というだけでスタートしたものの、いざ歌ってみたら満島ひかりのキーには苦しいじゃんということになって、でも……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『夢が夢なら』
 小沢健二、というアーティストを巡っては難渋な自/他鏡像性を帯びる。こちらが「こう、想っているだろう」ことを先読みして、不思議なエゴ・オリエンテッドなブービートラップを仕掛けたりする。90年代という幸せな瀬に彼は『LIFE』というダイレクトに、幾多のオマージュに溢れた晴れやかなアルバムとともに、躁的にポップ・スターとしての宿命を背負った。そして、ジャズ、ニューウェーヴへの傾ぎ、寡作化、海外への移住、すこしずつ忘れ去られるどころか、彼が……
 
  (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))