syrup16g
 
『Deathparade』
 やはり、なによりこの殺気だった衝動だろうと思う。この曲が終わったら、聴き手や受け手はもう視界や思考が刷新されていればいいと感じるほどに。野放図な、彼らが”再発”後に於ける、ストレートで本当に衒いのないロックンロール、過去で言えば、「天才」、「Sonic Disorder」、「落堕」系のそれ。それより粗さがクールに浮かぶ。そして、ぼんやりと歌詞がマシンガンのようにまくしたてるなかには、明らかに以前と、今の・以後が含まれている……
 
  (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))  

 
『生きているよりマシさ』
 負性的な何かを見つめ続けながらも、精緻な表現力と独自の訴求性に連関するようにして、彼らの再活動を巡っての周囲の熱量は高い。リアルタイムで音源やライヴを観ていた筆者としては、不世出の、というよりも、作品のリリース・ペースが早かった時期と、ライヴで未発表の新曲をやり続ける時期、2008年3月の武道館でのまるで、葬礼のような雰囲気まで含めて、syrup16gには一度、触れると、“入りこませる何か”があるのだろうとも思ったりする。昨年に、五十嵐隆名義の……
 
  (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))