ガウディーズ
 
『ギターの教本』
 このやる気があるのかないのかわからない淡々とした演奏と歌。それはまるで優雅に浮かんでいる鴨のよう。プカプカ浮いているのは楽そうだなあと見ていると、水面下で必死に脚を動かし川の流れに逆らっている事実を失念してしまう。元気なバンドがただひたすらに元気ですよとアピるのはとても判りやすいが、ガウディーズのように「オレたちやる気ありません」的な音楽は、流して聞けばのどかで、しかし向き合って聴けば考えさせられてしまうし、発見をすることにもなる。そういう音楽を楽しむというのも鑑賞のひとつの方法論……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『オリンピック』
 ガウディ―ズは、東京で結成された4人組で、4人のうちの2人は、主に東京を拠点に活動する、carpoolのメンバーでもある。ガウディーズは、自らを、” うっさいフォーク ”と定義している。それに加えて、ローファイ、USインディー感、印象的なギターのメロディが合わさって、音が生々しく迫って来るイメージ。推定20代前半の彼らが書く歌詞には、現代を生きる若者のリアルな感情があって、心にグサリと刺さるものがある。どうにもこうにも、やるせない気持ちになったり、自分という人間は他者から見てどういうものなのかなど、あなたも一度は考えたことが……
 
  (セルフレビュー by 宮井真実子(ファン))