2019年のmusipl.comでの7月アクセス数上位10レビューはこちら!


 
1位 西城秀樹
『ブルースカイブルー』
 ザ名曲。西城秀樹の歌をザ名曲と言ってる時点で僕の年齢もバレるというものだが、この動画のコメント欄には「最近知った曲。すごく惚れました!」という言葉があったので、年代に関係なく良い曲は良い曲なのだろう。これがリアルタイムの頃はまだまだ子供で、歌詞の内容などよくわかってなくて、それでも名曲だなあと好きになったのは、歌詞の内容など解るはずもない洋楽を聴いてイイなあと思うことと同じ… (レビュアー:大島栄二)
 

 
2位 TETORA
『ずるい人』
 切り裂くようなハスキーな声。ハスキーというのかこれ? ハスキーとはちょっと違うのかもしれないけれど、各フレーズの語尾で裏返るような発声が限界に挑んでいるように聴こえるし、限界に挑んでいるような歌はやっぱり魅力的に聴こえる。ズルいよこれ。ズルいって言い方もおかしな話で、きっとボーカル上野はゆねはこういう声なのであって… (レビュアー:大島栄二)
 

 
3位 明くる夜の羊
『そこにあって』
 女性ボーカルに華がある時、そのバンドがロックバンドなのかアイドルバンドなのかの境目を(つける必要があるなら、だが)分けるのは、女性ボーカルの熱量と、バンド演奏の実力とのバランスなんだろう。明くる夜の羊というバンドのMVを観て、冒頭からボーカルの歌う表情がアップで映し出されて。そのカワノユイのルックスはキュートで、だからそれを前面に押し出すというのはよく理解できる。しかし… (レビュアー:大島栄二)
 

 
4位 フィルフリーク
『生きてる』
 当たり前に生きるということがどういうことなのかを問うてくる1曲。「誰か不幸になると自分じゃなくて良かったなんて幸せを感じていた」と歌う。その誰かの不幸はたまたま誰か別の人にあたっただけで、次に自分がそうなったりしないなんてことは誰も断言できない。目の前の誰かの不幸と同じでなくとも、別の形の不幸はいつか必ず自分にも訪れる。そうなるまで自分の幸福に気がつけないなんてなんて愚かなんだ… (レビュアー:大島栄二)
 

 
5位 神田莉緒香
『今夜ひとり、見えない月の下で。』
 たまたまMVを見て、なんだこれイイな沁みる歌声だな誰だろうなと思ったら、自分が知らないだけで結構メジャーな人でした。プロフィールを眺めるとデビュー前からの活動が結構ユニークで、独自にあれこれとチャレンジしてきている人のようでとても好感持てる。なので他の曲も聴く。以前のポップ全開みたいな曲を聴くと、あれ、このスタジオでピアノ弾いているのとかなり違うぞと思う。でも3月に公開された… (レビュアー:大島栄二)
 

 
6位 Dizzy Sunfist
『STRONGER』
 このMVはとってもカッコいい。サウンドは完全にハードロックバンド(ハードコアとかパンクの要素もありつつ)なのに、ビデオの構成がまるでポップバンドのよう。とてもスッキリとした作りで、ハードロックファンでなくてもスーッと入り込んでいくことができる。ハードロックというのはかなり様式美の世界で、そのハードロックらしさを守らないとハードロック業界からもハードロックファンから受け入れられなかったりする… (レビュアー:大島栄二)
 

 
7位 中川家
『地下鉄御堂筋線ブルース』
 大阪の地下鉄、御堂筋線。その停車駅についてひとつひとつツッコミを入れるという歌。面白い。しかしツッコミを入れられている駅や街について何か知ってるのかというと実はほとんど知らない。西田辺にシャープの本社があったとか知らんし、動物園前の壁にどんな絵を描いてあるのかとか見たこと無いし、大黒町がどんな風に怪しいのかなんてまったく想像できん。それなのに面白いのはいったい何なのか… (レビュアー:大島栄二)
 

 
8位 大貫妙子
『横顔』
 大貫妙子というと名曲てんこ盛りだが、個人的にはこの曲。切ない歌詞に、その切なさを感じさせぬように気丈に振舞おうとする意地のようなものさえ感じられるような、凛としたメロディがとても良い。大好きだ。1978年のアルバムに収録された1曲で、その頃にアルバムを聴くほどには大人ではなかったから、僕は一体いつこの曲を聴いたんだろうか。名曲なので何度かカバーされて、矢野顕子の… (レビュアー:大島栄二)
 

 
9位 PARIS on the City!
『お陰様で彼氏ができそうです。』
 3週間ほど前にwacciの『別の人の彼女になったよ』のレビューを掲載して、しばらくしてこの曲に出会う。解説によると「恋愛に対するコンプレックスから生まれた出来事や感情」を歌っているロックバンドだそう。2つの曲に共通するのは元カレに対して「新しい恋愛を始めた」というメッセージを伝えるというコンセプト。明確に連絡を取ってそのことを伝えるかどうかは別として、意識の中で元カレにそれを伝える風の思考が… (レビュアー:大島栄二)
 

 
10位 Nakanoまる
『笑う女の子』
 19歳の子を面接採用。試用期間後まだ働きたいということで、社長や幹部等の組織で席を追われない権力者からセクハラを受けた場合の対策講座をしました。偉い人は立場を利用して下ネタの許容耐性を試す。生活を失う訳にはいかない女の子が嫌悪しながらも笑って受け流し「冗談でした」に成立してしまう笑顔を続けているうちに、『笑う女の子』を喜んでると錯覚する老害が増長するという負の連鎖。上席の者には… (レビュアー:北沢東京)
 

 
次点 福永倫子
『Groovin'』
 めっちゃポップでイイ。聴いてて最初土岐麻子かと思っちゃった。いや、違うけどね、違いますけどね。アーチストの誰かと誰かが似ているなんてことはその両方に対して失礼だし、失礼だということは十分に承知しつつ、でも感じたということも事実なのでとりあえず書いておく。で、これまでにない全く新しい音楽のジャンルを開発したというのなら別だけれど、ジャンルも表現手法も多岐に渡り過ぎちゃってる現代には… (レビュアー:大島栄二)
 

 
編集長コメント

1位 西城秀樹『ブルースカイブルー』:西城秀樹、大人気でした。亡くなってなお大人気。すごいです。流石はかつての新御三家だけのことはあります。Twitterでまたたく間にリツイートなどされちゃって。当時のファンの年齢層は50代以上なのに、SNSとかバッチリ使いこなしててすごいです。まあ50代なんてそんなに年寄りじゃないですしね。僕だってこうしてサイト作ったりしてますしね。でも本人が亡くなってて新曲など出るはずも亡いのに「リクエストとか大事」みたいなリプをいただいて、このファンっぷりはすごいなと驚きました。秀樹も天国で感激していることでしょう。

2位 TETORA『ずるい人』:TETORA、過去レビューなどをきっかけにリツイートされたりして先月のアクセスランキングで浮上してきて、今月は2位に。パワフルですねえ。ということもあったし、このところTETORA関連の動画が立て続けに公開されてたこともあり、7月半ばに別曲のレビューもしたんですけど、そっちの方はアクセスランクにかすりもしない。どういうわけなんでしょうか、謎です。ファンの人も見逃しちゃったということなんでしょうか。新曲の方でも頑張ってもらいたいものです。

3位 明くる夜の羊『そこにあって』:1位が秀樹で、2位が過去レビューなので、新規レビューの若手としては実質1位と言っていいのではないでしょうか、明くる夜の羊。カッコよかったです。芯の強さを感じさせる歌っていいですね。伸びていくバンドのような気がします。

5位 神田莉緒香『今夜ひとり、見えない月の下で。』:7月の曲の中で個人的に1番脳内リピート再生率が高かったのがこの曲でした。彼女について詳しいことを知っているわけじゃないけれど、声の良さはもちろんのこと、音楽に向かう自分というものへの葛藤を感じさせてくれたのが好印象だったわけです。音楽で生きていくことを夢にして頑張ってるという人はたくさんいますが、その上での壁のようなものにぶち当たった時、人がどうそれに対処して、乗り越えていくのかについて、ひとつの姿勢のようなものがとても美しいなと思ったのです。

6位 Dizzy Sunfist『STRONGER』:7月のレビューの中で、動画のカッコよさの点ではダントツの個人的1位でした。もっと上位に食い込んでもいいのになあとはちょっと思います。こういうMVをもっと見たいなあと思います。

10位 Nakanoまる『笑う女の子』:過去レビューから復活するようにランクインしてきたこの曲。けっして彼女にとっての新曲でもないのに、こうしてファンを中心として盛上がれるというのはとてもいいことだと思います。過去の音源やMVをネット上からすぐに削除してしまうアーチストもいて、そういうの、悲しいなあと思うことがよくあって、だから昔のMVが残ってて、さらにはそれをファンが機会あるごとに見たり注目したりするというのは、とても良いことだなあと思うわけです。


 7月のアクセスランキングを見てて思うのは、5位 神田莉緒香『今夜ひとり、見えない月の下で。』、9位 PARIS on the City!『お陰様で彼氏ができそうです。』の2曲で曲タイトルの最後が「。」になってて面白いなあということでした。かつてモーニング娘。がアーチスト名の最後を「。」にして、そういうのが画期的だなあと驚いた(その反面、記事などでどれが句読点なのかわかりにくくなったなあという弊害はありますが)わけですが、それを境にいろいろな人たちが名前やタイトルに記号を使うようになって、今や普通。それでも、こうして同じランクにそれが並ぶと、ちょっと興味深いなあと思ったのです。さらには、10位のNakanoまるはアーチスト名の最後が「。」ではなくて「まる」ですからね。そういうのが普通に並んでて、面白かったです。

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(大島栄二)