2019年のmusipl.comでの5月アクセス数上位10レビューはこちら!


 
1位 桜庭龍二
『旅人』
 ドラマ「日本ボロ宿紀行」を見てます。昭和歌謡の一発屋が、当時のヒット曲のCDを背負って再起。おじさん歌手と美人若手マネージャーの二人が地方営業ドサ回り。温泉街で歌いつつ、おカネがないのでボロ宿に泊まると、そこにエピソードがある。だが、CDはあまり売れないというループ。若いマネージャーが枯れ専で、壁のシミや階段の軋み、古い看板に身悶えする様子を見守りつつ、セットではなく現存する… (レビュアー:北沢東京)
 

 
2位 中川家
『地下鉄御堂筋線ブルース』
 大阪の地下鉄、御堂筋線。その停車駅についてひとつひとつツッコミを入れるという歌。面白い。しかしツッコミを入れられている駅や街について何か知ってるのかというと実はほとんど知らない。西田辺にシャープの本社があったとか知らんし、動物園前の壁にどんな絵を描いてあるのかとか見たこと無いし、大黒町がどんな風に怪しいのかなんてまったく想像できん。それなのに面白いのはいったい何なのか… (レビュアー:大島栄二)
 

 
3位 YUCARI
『Wake Up』
 低音で吐き捨てるように歌う。ドスが利いている。この音域でずっと安定的に歌えるシンガーは結構少ない。HPのプロフィールでは「ギター弾き語りシンガーソングライター」とまず書いてあって、いやいやバンドサウンドじゃんと思うけれど、彼女のYouTubeチャンネルにはちゃんと弾き語りの曲もアップされている。バンドサウンドとギター弾き語りとでどのくらい違うのかというと、個人的にはそんなに… (レビュアー:大島栄二)
 

 
4位 TETORA
『ずるい人』
 切り裂くようなハスキーな声。ハスキーというのかこれ? ハスキーとはちょっと違うのかもしれないけれど、各フレーズの語尾で裏返るような発声が限界に挑んでいるように聴こえるし、限界に挑んでいるような歌はやっぱり魅力的に聴こえる。ズルいよこれ。ズルいって言い方もおかしな話で、きっとボーカル上野はゆねはこういう声なのであって… (レビュアー:大島栄二)
 

 
5位 ザ・リーサルウェポンズ
『熱血ティーチャー』
 映画「名探偵ピカチュウ」の日本版予告編で流れた、麻倉未稀『HERO』を聴いて、ぼんやりと「この歌、実は日本語より英語歌詞の方がかなり多くて、もしも、全般に渡り日本語と英語ちゃんぽんだったなら、カラオケで唄う人は10倍くらいいたのではなかったか」とか考えていましたよ。その点、ザ・リーサルウェポンズの楽曲は、ネイティブな… (レビュアー:北沢東京)
 

 
6位 踊ってばかりの国
『weekender』
 久しぶりに見た踊ってばかりの国。過去に2度レビューしたもののそこから約4年半。その時取り上げた曲も動画公開は5年半前で、ちょうど活動が滞っていた頃。それで他の曲とかバンドとかを追っていたうちにすっかり忘れてて。気がついたら下津光史の髪の毛がバッサリと切られてて。音楽は髪型で創るものでも表現するものでもなくて、そんなことは… (レビュアー:大島栄二)
 

 
7位 大石理乃
『中央快速ハミングバード』
 シンガー女子がひとりの名前で活動していると、年齢高め40歳以上でアイドルのノリが苦手でチェキは買わないで無料で喋ったり写真を撮ったあげく音楽的なアドバイスをしてくる、そんなおじさんに「地下アイドルイベント出るのやめなよ」と言われるらしい。いや、アイドルオタクは優しい人多く、おじさんの方が面倒という。コレ同意。昨日も路上でギター構えた女の子に、ずっと話しかけてるおっさんが居て… (レビュアー:北沢東京)
 

 
8位 MaRS VIOLET LOVE
『50%』
 カッコイイ。こういうの好き。ギターとドラムのインストバンド。ギターが唸りながら歌っているように聴こえる。最近はインストバンドも増えてきて、それぞれ個性的な音楽を奏でているんだけれども、歌好きな人としてはやっぱり歌が欲しいよねと思ったりする。でもバンドアンサンブルの音楽には歌は無いんだ。だから悪いわけじゃないけど、良い悪いは別にしてほとんどのインストには歌は無い。当たり前だけど… (レビュアー:大島栄二)
 

 
9位 King Gnu
『Flash!!!』
 2000年頃以降くらいに耳にするようになった音楽ジャンルにはどうにもイメージを持ちにくくて、オルタナティブ、ミクスチャー、エモ、コアetc. etc.。いやまあ2000年以降なのかどうかと厳密に問われればもっと前からあったのかもしれないし、そもそも太古の昔に出てきたニューミュージックというのがもはや今となっては謎だし。そういうジャンルというのは「オレたちはこれまでの音楽とはちゃうぞ〜!」みたいな… (レビュアー:大島栄二)
 

 
10位 Absolute area
『遠くまで行く君に』
 Absolute areaという若いバンドの優しい歌は心にしみる。映像は若い女性が地元を離れて遠くに行くことを想わせる。海沿いの田舎町で暮らし、きっと都会に行くのだろう。新しい生活への希望に満ちた女性の表情。送り出す男性は頑張れと応援するのだろう。女性の行く世界はここからは遠くだけれど、遠くに行った女性にとってはその遠くこそが「ここ」になるのであって、「ここ」での生活の中で海沿いの町は「遠く」に… (レビュアー:大島栄二)
 

 
次点 RAMMELLS
『Sensor』
 物憂げという言葉がよく似合う。何だろうこの物憂げ感はと思って何度も聴いて聴き返して、ああ、このボーカルがサウンドの中でしっかりとしたポジションで存在しているのに声を張っているわけではなくて、つぶやきのような歌い方だからなのではないかなあという結論に至る。レコーディングの際にはそんなに大きな声量で歌ってはいないのをミックスの時にボリュームを上げる、音圧を上げる、そんな作業でささやきの… (レビュアー:大島栄二)
 

 
編集長コメント

1位 桜庭龍二『旅人』:3月のレビューが4月5月とマンスリーで連続1位。割と圧倒的な1位で、本当にこの人気は一体何なんでしょうかね。いや、いいんですけれどね。あまり知られてない音楽を紹介するこのmusiplですが、この曲をあまり知られていないと評するのがどうなのか。まあ、その人気の理由がわかってないくらいなので、やはり紹介するべき曲なのでしょう。というか、もはや紹介しているのはアクセスしてくださってるファンの方々だといった方がいいのかもしれません。

2位 中川家『地下鉄御堂筋線ブルース』:中川家も強い。これは2月のレビューで、それが2月に3位、3月に1位。4月3位が5月に2位に浮上…。それで6月のデイリーでこのところ(3日現在)1位。このまま行くと年間ランキングの1位になっちゃうんじゃないかとさえ思います。いや、年間1位で何の問題もないですけどね。この曲、実に渋いブルースですもんね。

3位 YUCARI『Wake Up』:実質的には5月の1位と言っても過言ではないのがこれ。いやもちろん3位ですけど、5月にレビューしたものの中では1番アクセスを集めた曲でした。多くのファンに支持されて、応援されているのがよくわかります。

5位 ザ・リーサルウェポンズ『熱血ティーチャー』:面白いMVでした。MVって楽曲のイメージを補完する役割があると思うんですけれど、これはその好例だと思いますね。もちろん言葉とメロディから想像力を刺激するというのが歌の本質的な意味合いだったりするので、なんでも映像でわかりやすくすればいいってことじゃないんですけれど、わかりやすくする方がいいこともあって、これはこの映像があってプラスαな楽曲だと思います。

6位 踊ってばかりの国『weekender』:このレビューをする直前に、ぼーかるの下津が暴力事件を起こしたという話があって、激怒しているツイートなどもあって、レビューを公開するかどうかちょっと迷いました。が、公開しました。アーチストが何か事件を起こしたから作品も市場から排除するみたいなことがこの春にあって、それはどうなんだろうという問題意識はあったわけです。作品自体を否定する理由にはならないだろうということです。しかも今回の問題で彼ら自身活動自粛してないし、現在ワンマンツアー中ですし。もちろん暴力はいけないことだし、刑事事件化するしないにかかわらず、暴力は非難されるべきです。そのことは前提として、事件と作品は別に考えたいと思っています。違う考え方の人ももちろんいると思いますし、それはそれで拝聴に値する意見です。が、今回はレビューを公開したし、彼らの作品はこれからも期待したいと思っているところです。

9位 King Gnu『Flash!!!』:King Gnu、今年の3月に『白日』のレビューをしたのにそちらはアクセスそんなになくて。なのに過去レビューがマンスリーの9位にランクイン。面白いですね。ただ、『白日』は曲としての完成度も高いので、できればそちらもご覧ください。レビューの文章ということではなくて、曲を聴くといいですよ。。

次点 RAMMELLS『Sensor』:RAMMELLSは最近MVを公開してて、有名な俳優さんを起用してYouTubeの広告も打っていたので、おそらく最近大人気でノリに乗っているのでしょう。それで過去レビューも上位に浮上したのでしょう。曲カッコいいですからね。新曲MVもレビューしようか迷いましたが、広告の効果なのか再生回数も多かったので、今回はパスしました。それでもマンスリーに過去レビューが入ってきてて、実力を感じています。頑張ってください。



 今月のマンスリーランクは、過去レビューのランクインがとても多くて驚いています。最新のものばかりではなく、過去レビューも掘り起こしてもらって、そういうの、いいと思います。でも最新レビューの人たちも頑張って欲しいなあと思いますよ。再生回数2000回未満みたいな楽曲も積極的に取り上げていますので、みなさんもそういう最新レビューのことを、ちょっとばかり気にかけていただければ幸いです。というか、musiplのことを毎日チェックしにきてくださいね。本当によろしくお願いしたいです。

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(大島栄二)