まだ駆け出しのバンドで、まだホームページもなくて公式Twitterアカウントは先月半ばにできたばかりということなのだが、楽曲だけ聴けば実に堂々とした貫禄さえ醸し出している。その公式Twitterによれば「FUNK+SOUL+DISCO+TASTE=Neighbor City Pop」と自分たちの音楽を評している。なるほどなあ。従来のシティポップがどことなくよそゆきなオシャレ感に溢れていたのに対し、自分たちはそんな遠くの音楽じゃなくて隣近所のシティポップということなのだろうか。じゃあこの曲がそんなに身近な隣近所感があるのかというとちょっと疑問で、やっぱりフワフワとした浮遊感があって、生活に根ざしたみたいな隣近所の生活感はまったく無い。いや、だからダメということではまったくないし、Neighbor City Popというのが隣近所のシティポップという解釈で正しいと断言する自信もない。そもそも曲のタイトルが月のうらがわなのだし、朝までパーティーと繰り返し歌っているのであって、地味な生活感もなければ隣でもないよ。もちろん音楽の質の話なのであって歌詞がどうとかいうこととは関係なく、これまでのシティポップが持っていた音楽性と、この曲は比較的近いカテゴリに属する何かのような気がする。それは同時に繰り返し聴いてきた多くのシティポップと比較しても遜色のない音楽性とクオリティを有しているということでもあるだろう。