おいしくるメロンパン『命日』
ab initio『歓喜』
osage
『ウーロンハイと春に』
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イントロに48秒。4分8秒の曲でイントロが長くないかと普通なら思う。音楽が氾濫している昨今、イントロをちゃんと聴いてくれる人なんてわずかで、30秒聴いてピンとこなかったら次に行く。既にファンなら別だけど、見知らぬバンドに長々と付き合ってくれる奇特な人はそうそういないぞ。それなのに巷には長いイントロを延々と繰り返すバンドは後を絶たない。そういうバンドのほとんどすべてはイントロで同じフレーズを2回3回繰り返す。それ同じじゃんと、ああもったいないと、自分で自分の首を締めてるよといつも思う。この曲を聴いたとき、実際には48秒経過するまで歌は始まらないのだが、イントロ繰り返し曲とは決定的に何かが違っていた。そう、イントロの中にすでに展開がきっちりとあったのだ。イントロが長いという批判の裏には、歌が始まれば何か新しい展開だということがわかるんだよという意味が込められている。つまり、歌が聴きたいのではなく(聴きたいけど)、退屈なのがつまらないだけなのだ。イントロが長くてもそこに展開があって飽きないのであればいいということ。イントロ長げーよと言われる曲は、要するにそのイントロがつまらないのだ。もちろん面白いとかつまらないというのは個人個人の主観なのだから、つまらないと言われても自分たちの作品や創造を曲げる必要はない。でもこの曲のようにイントロの中にも明確な展開を作って、聴く者をワクワクさせつつ飽きさせない方が、人気を得るには重要なことだと僕は思うけどね。それもまあ、考え方は人それぞれということで。
このosageというバンドは、昨年の8月にもレビューしていて、そのレビューでも場面展開の面白さを指摘していた。展開のワクワクさは彼らの持ち味であり武器なんだろう。いいと思います。その時から微妙にバンド名が変わってるけれど、それも展開力のうちと思っていいのだろうか。
(2019.3.18)
(レビュアー:大島栄二)
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