受験用英語しか学んでいない(お行儀のよい)わたしは、このアーティスト名が「(金を)だまし取る」という意味だと、すっかり失念していた。普段、だまし取る、なんて日本語でも使わないお行儀のよさ故、仕方あるまい。ただ、このような名前を掲げて、グライム風な音楽(とジャズの融合)を手掛けるその姿勢は潔く、存在感も突き抜けている。この曲のゴージャスさ、洗練され具合、かっこよすぎる。最初のホーンの音から、Rapのたたみかけがめちゃくちゃ気持ちいい。新譜には、サウスロンドンのジャズ界隈のアーティストたちが参加している。今なお熱いシーンの勢いも詰まった一枚だ。アルバムタイトルに「No More Nomal」とあるように、力強さに満ち溢れた楽曲たちをひたすら浴びるように聴きまくる。結果、お行儀のよいわたしは、銭形警部の名言のように「やつは、とんでもないものを盗んでいきました、あなたの心です」状態と化し、すっかりSwindleに参ってしまっている。