Himuro『フューチャ』
おかありな『スーサイドランデヴー』
JUJU
『メトロ』
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美しい。何もかもが美しい。JUJUの歌。小松菜奈の小顔。映像もサウンドメロディも美しい。が、それ以上に詞の世界が描く光景がとても美しい。簡単に変われない自分が嫌い。その自分が変わるきっかけがメトロのパスなんて、そんな単純なものじゃないだろうと思う自分と、いやその通りだと思う自分が同時にいるのを感じる。私事だが、先月体調を崩していつも乗っている自転車禁止令が出て。仕方なく1ヶ月のバス定期を購入した。せっかく買ったのだから使わなきゃもったいない。そのセコい動機からではあるけれど、必要のない場所にも行こうと考える。だが、必要と不必要の境目が明確にあるわけじゃなくて、交通費だったり時間的余裕だったり体力的疲れだったりで日頃不必要だとカウントして行くことを諦めている場所があるのも事実。定期を買ったら元を取りたいというセコい動機であっても日頃不必要だと思い込んでいた場所に行ってみると、その場所はけっして不必要な場所なんかじゃないということを思い知らされる。いや、必要ではないのだけれど、だからといって不必要でもないのだ。京都だから、いつもは行かない嵐山に行ってみる。自転車だとちょっと遠いかなと思っている場所も、バスならそんなに遠くなかった。行ってみるから地図も見る。そうしたら距離的にもそんなに遠くなかった。遠いと思っていたのは自分の誤解で、日頃それは遠いのだと勝手に思い込んでいることで、気軽にそこに行くことを諦めていただけなのだ。不必要なのは、勝手な思い込みによる諦めだったのだ。
メトロのパスが、僕にとっては市バスの定期で、思い込みや諦めこそが不必要なものだということに気付かせてくれる何かというのは、きっと生活のあちらこちらにあるのだろう。2018年の終わりにこの曲を聴いて、来年はもっと気付きの多い年にしたいと願う。自分の中の不必要なものを捨て去って、可能性を広げられる1年になりますように、僕も、あなたも。
(2018.12.29)
(レビュアー:大島栄二)
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