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Yellow Studs
『ライブハウス』

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 ベテランバンドYellow Studsのベストアルバムがリリース。渋くて男臭いバンドとしてその足場を固めている彼らの15年を振り返る全30曲は圧巻だ。そのベスト向けにこの「ライブハウス」をMVとして出してきたのはちょっと興味深い。彼らが15年に渡って完全無所属を貫いてきた姿勢とライブハウスという表現の場が重なるからだ。しかしながらこのMVにあるジャズテイストのサウンドがYellow Studsのサウンドだと言い切るのには抵抗がある。さまざまなサウンドテイストを持っている彼らなのでこれに違和感があるとは言わないが、こんなジャジーなロックバンドかと問われれば、いや、違うでしょと思うのだ。2012年のアルバムに収録されたこの「ライブハウス」と並んで「ライブハウスポルカ」という曲もベストには収録されていて、こちらは2017年の作品。タイトルにポルカと入っているだけあってこちらも純粋なロックサウンドというものとはちょっと違っていて、彼らの代表的なスタイルと言い切れず、そういうテイストの曲2つにライブハウスという言葉を宛てているのが本当に興味深い。例えば「ブレーキ」のような、「言葉にならない」のようないかにもなハードなロックが代表的なスタイルだと言えばいいのかというとそれもどうかなと、よくわからなくなってくる。どうしても彼らに固定的なスタイルを期待してしまいがちなのだが、だからといって音楽が固定的になってしまえばマンネリでつまらないバンドになってしまうのは必然で、それで潰れていったバンドは数知れない。彼ら自身もそんなことはわかっていて、だからYellow Studsとしての芯のようなものはけっして失うこと無く、それでいて新しい要素を果敢に取り込んできたのがこの15年なのだろう。そういう意味ではこのジャジーなテイストに溢れた「ライブハウス」という曲こそが15周年ベストに最もふさわしい1曲だったのかもしれない。バンドの本質を変えないために変わっていくという、これからもそうなんだよと高らかに宣言するかのような意志を感じさせてくれる新MVだ。
(2018.12.7) (レビュアー:大島栄二)
 


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