錯乱前戦『ロッキンロール』
cinema staff『first song(at the terminal)』
majiko
『ひび割れた世界』
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こういうのを見ると、才能というのは次々と出てくるものだよなあと改めて実感する。メジャーが新人女性シンガーをプッシュしていると、どこの事務所が連れて来たんだなどとついつい思ってしまうが、じゃあどこかの事務所が連れて来たら全員才能に溢れてたりするのかというとそんなことはなくて。大抵はそれまでの活動フィールドとは違った場所で気負ったりすることで、持っているはずの力の半分も出せなくて、メジャー以前を知っている旧来のファンからはガッカリされ、メジャーで初めて知った人からは「?」と思われてたいてい終わる。数十年前ならレコード会社も3作くらいは育てていこうという取組みもあったが、近年はそんな余裕もなく、デビュー作からブッ飛ばしていけなければ2作目は無い。結果としてほとんどの新人はたいした成果も挙げられずに消えていく。もちろんこのmajikoという人に約束された将来が保証されているわけではないし、今どきテレビのタイアップが数曲あったところで大注目を集められるわけでもないし、だから1年後にどうなっているのかはまったくわからないけれども、それでも曲を聴いてみただけでの直感で言い切ってしまうと、この人は掘り出し物です。大きな舞台に引き上げられた時にスタッフたちの言いなりになって自分の良さを発揮できない人がたくさんいて、そうならないようにと自分を強く持とうとするあまりに意固地になってスタッフと衝突を繰り替えして居場所を失っていく人もたくさんいて。そういう中で、自分を保持しつつスタッフとの折り合いもちゃんと付けつつ、きちんと表現をしている。そしてその表現のクオリティが高い。こういう人はなかなかいません。だから、きっと成功してもっともっと人気者になっていくのではないかなと普通に思います。
(2018.6.29)
(レビュアー:大島栄二)
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