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Chara
『ミルク』

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 Charaももう50歳だそうだ。驚くな。まあデビュー27周年だそうだからいつまでも20代や30代でありえるはずもなく、1990年代にデビューしたあれやこれやが50歳であっても何の不思議も無いし、当時から50代かと思ってたアーチストだっている(誰とは言わん)わけだが、それにしてもCharaの50歳というのは想像がつかん。言われても信じられない。それはいったい何なんだろうか。そういえば原田知世の50歳というのもまったく信じられなくて、今の朝ドラ「半分、青い。」で共演している松雪泰子の方が原田知世より歳下の40代とかまったく信じられん。こういう老いを感じさせない、いや、見れば若かりし頃よりも歳取ったのは判るんだけれども、その事実が受け入れられない、アレが歳を取るなんて理解できないと、科学の法則を一切排除するような人たちが実際には存在する。
 まあそんなことはいいとして、27周年の活動で発表されたCharaの楽曲は名曲が本当に多い。聴けばどれもCharaの曲で、本当にどれをとっても声が聴こえた瞬間にCharaだと判るので、じゃあそんなにたくさん曲無くても良いじゃんという気もしないではないのだが、それでもアルバム出るたびに聴いてしまうのは、そこにあるCharaの歌声が聴きたいのではなくて、Charaの新しい名曲を知っておくべきという認識が脊髄のあたりに埋め込まれてしまっているからではないかと思う。んで、そんな名曲揃いの数々の中で、いったい何が一番の名曲なのだろうと考えた時に、迷うし、100人いれば100人とも違う曲をあげるかもしれないなと想像しながら、僕はこの『ミルク』が一番好き。自分はネコだよと言い、泣いたってミルクしかくれないと歌う。歌詞の中で「ミルク」という言葉が出てくるのはこの一節だけだ。それでいろいろと言葉が綴られていく世界について、いろいろな描写がなされる。この歌詞について様々な解釈が試みられているのは知っているが、どれも断定的に言うことはできないし、断定する解釈はたいてい間違っている。詞は明言を避けつつ受け手の多様な解釈が許容されるというのが秀逸だと思うのだが、多様な解釈がされてしまうと曲への評価も必然的にブレていくことになる。評価がブレれば世間的な価値も定まっていかない。なのに、この曲は僕の中のCharaナンバーワンであるだけでなく、多くの人たちの高評価を得ているのだからすごい。
 そんなことを書き連ねながらCharaのCDを何枚か聴いていると、ああ、コレも良いなアレも良いなと思い始めて収拾がつかない。というわけで、来週の土曜もCharaのレビューで行こうと思います。ウソです、いきません。いや、アレもコレもと収拾がついていないのはウソじゃなく本当で、なのでそのうちにまたCharaについて書くかもしれません。
(2018.4.21) (レビュアー:大島栄二)
 


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