Lin Ton Taun『Erasua faxista』
BROCKHAMPTON
RE:call story
『今更』
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誰もが一度は思う後悔。今更という言葉は諦めるためにも、抗うためにも存在していて、抗ったところで出遅れている状態からの挽回はほとんどの場合に不可能で、だからあっさりと諦めた方が賢いのかもしれない。だが、そうして諦めてばかりの人生が到達するところというのはだいたい相場が決まってて。諦めて到達した結果の出来損ないの人生と、抗った結果やっぱり到達してしまう出来損ないの人生と、同じように見えるかもしれないが、そこに拭いきれない後悔が残るのと、やり切ったのだから仕方ないと信じられるのとでは内面の意味合いは大きく違ってくる。
RE:call storyというバンドの、この「今更」という曲。彼らがとびきりのイケメン集団なんかではなくて、むしろ場末にたくさんいるような蒼い青年たちという印象だから、この今更とか苛立つというような歌詞が本当にリアルに響いてくる。難しい論理など込めたりせず、ザラザラとした声でシンプルに後悔の気持ちを積み重ねることが、曲をリアルに、強くしていっている。聴いていて、後悔しないように今を懸命に生きなきゃと強く思わせてくれる。シンプルで強い、逆説的なメッセージソングだ。
(2018.1.30)
(レビュアー:大島栄二)
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