m-floを思い出します。いや、違うんだけど、当たり前のように違うんだけれど。リズムの展開とか、フワフワした浮遊感あるカルチャー具合とか、途中で適宜入ってくる「I wanna play I wanna play」のリフレインが、LISAがいた頃のm-flo、come againを想起させる。フレーズだけだけど。m-floにLISAがいた当時に表現していた不思議な浮遊感が、今になって思えばバブル期のカルチャーを多少引きずっている「満たされたカルチャーの中に生まれる孤独のようなものだったのに対し、このONIGAWARAの2人がこの曲で表現している東京の浮遊感が何かを詰め込もうとしても空間が埋まりきれない空疎感であるという対比が興味深い。どちらがエラいとかどちらが高尚とかではなくて、単純に時代を反映したリアルなものなのだと思うし、リスナーたちがどちらにより近い心情を感じるのかは、結局はその人がどの時代に多感な時期を生きたのかに依るのだろう。このユニットの動画が数万回から数十万回再生されているというあたりにも、彼らを支持する一定のリスナーが存在していることは表れている。他の曲をいろいろと聴いてみると、今回のこの曲が彼らの特徴的なサウンドテイストではないということはよくわかる。だからこれだけで彼らONIGAWARAのことを判断するのは愚かなことだろうし、これをきっかけにちょっと興味を持って他の動画や曲をチェックしてもらえればいいのではないだろうか。その結果好きになっても嫌いになってもそれはその人の好みということで。