ロックだとかなんだとか、そこに込められた魂だとかいくら言ってても、結局表現がカッコよくなければ何の意味も無い負け犬の遠吠えだったりする。このエドガー・サリヴァンの歌にもビデオにもそういった遠吠え的な部分がまったくなくて、カッコいいものへの最短距離を走ろうというエネルギーに溢れている。こういう表現が、ある種の層には受け容れがたかったりするのはよくわかる。だが、そういう層の支持にこだわり始めると最短距離が回り道になるどころか、迷い道にハマることになるので要注意だ。ただただカッコよかったり素敵だったり、その形容はどうだっていいのだが単に「イイ」というものを追及して表現していって欲しいし、それができる人たちなんじゃないかなあと思う。この曲のタイトルは「Fight at Tokio」で、要するに大都会で闘うということなわけで、その闘いはMV中盤に写されるサラリーマンだったり美容師だったりライターだったりミュージシャンだったり。それぞれの道でのそれぞれの形で、誰からの制約も受けずに頑張る姿にはただただエールを送りたいと思うし、同時にこの曲は彼ら自身の自分たちへのエールそのものなのだろうと感じる。