午前3時と退屈『海を見ている』
林青空『光』
Moses Sumney
『Lonely World』
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秋が深まる時節、夜中でも朝の目覚めのお供にでも聴いてほしい。秋の匂いが濃密になるような、実に味わい深い一曲だ。アルバムタイトルが「Aromanticism」、アロマとロマンチシズムを合わせた造語、ということらしい。まさにその言葉通り、ほんのりと抒情的な空気が漂ってくる曲ではないだろうか。甘い香りを吸い込むがごとく、深く心に染み入る。メロディも歌声も儚く、うつくしい。フォーキーな曲調でじっくり聴かせつつ、後半からはぐっと一気に盛り上がる。曲の根底には、魂を揺さぶるようなブラックミュージックテイストも感じさせられる。また、多重録音を駆使しているのも特徴の一つ。まさに、昨今、ネットで言うところの「タグ付け」（属性）が多い、層の厚みを感じさせる音楽だ。スマートかつエモーショナルなこの曲を聴いて、どうか存分に心を揺さぶられてほしい。ただ、気持ちが入りすぎて涙がこぼれちゃっても、当方、責任は取れないので、そこは自己責任で！
(2017.10.25)
(レビュアー：夜鍋太郎)
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