この曲を収めたアルバム『Hearts That Strain』 はUSのカントリーの聖地ともいえるナッシュビルでレコーディングされ、三週間という短時間で完成させたという佳さもこの曲には表われている。
決して枯れ具合や日和ったなどの形容ではなく、今この現在の彼が想う方向に進む様がやはり良い、ひとつ何かを表現することさえ艱難な時代だからこそ、この方向からの斜光は過去をまた照らし返し、そう思わせてくれる「How Soon The Dawn」での静かな剛健さを帯びた顔になったジェイクと、自分以外の他者がスクリーンに映るだけで必ずしも不幸ではないという尺度をミニマムに変換し直させしてくれるようなMVも心身を和ませてくれる。一度ずつ、その都度ごとに決定打を出すことはせずともいい、また、如何にもなビッグネスに靡くことは得策ではないのと同じく、漸次な変化や成長は緩やかで平穏な個別の体内時計でこそ整う。それをして、当たり前に感覚やイメージの乖離や処理能力、感性をして一旦、離れる人も居れば、受け容れられる人もいる。もっと多様にバラバラにあってこそ。