Geotic『Smiling』
千葉県警察音楽隊『刑事ドラマ テーマ集』
みどりかわさん
『ケーキ屋さん』
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不思議系というジャンルが公式に認められているかどうかは知らないけれども、不思議系というアーチストが存在していて、しかも複数、かなり複数存在しているのは確実で、でもそのどれもが不思議なのだから連帯してムーブメントを起こそうとかいう動きは皆無で、だから不思議系アーチストはいつも単独でぽつんと存在している。このみどりかわさんというアーチストが不思議系なのかそうじゃないのかを正式に判断するには情報が少なすぎるが、アンダーグラウンド業界歴29年の野生の勘でいうならば、断言しよう、彼らこそ不思議系である。いや、不思議系であるとかないとかはリスナーにとって一切関係のないことでしかなくて、もっといえばアーチストにとっても一切関係ないことであって、じゃあそんなこと言わなきゃいいじゃんということなんだけれども、この不思議系界隈にはホンモノの不思議とニセモノの不思議というのがあって、ニセモノの不思議が実にたくさんいて溜息とあくびが出てしまうのだが、だからこそ、ホンモノの不思議には価値があって、このみどりかわさんというアーチストは、これも何の根拠もない野生の勘によればホンモノの不思議であるからこそ、敢えて言うのです。うん、観た方が良いですよ。聴いた方が良いですよ。おお、これこそホンモノと意気込んで観てみたところで、そんなこちら側の思い入れなんてまったく考慮してくれない展開しか見えなかったりすることも多々ですけど。
そんな彼らの動画はいくつかあって、静かに毒を吐いたりしてて面白いのだけれども、やはり不思議初心者にはある程度完成度の高いMVの方が良いかなということで、コレです。アニメの少女がただただ歩いているというシンプルな映像ですけれども、ずっと見ちゃいます。引き込まれます。歌われている世界観と「君」の価値観と。使われている言葉のへんてこりんさに潜むバランスとアンバランス。とっても面白いです。冒頭の「君が憧れる駅前の商い」って、このチョイスセンスにしびれます。1:20くらいのフレーズはEPOを彷彿とさせるポップ感覚。そういった要素をギュッと詰め込んでさらりと歌ってて。意識を寄せない人には軽いBGMくらいにしか聞こえないのがとても良いと思うし、不思議系の神髄を持ってるなあと感心します。その実力が遺憾なく発揮されれば多くのファンを獲得してもおかしくないのに発揮しそうにないというのも、彼らがホンモノである所以でしょうか。こういう曲との遭遇は、大切にしたいなあとホント思います。
(2017.5.4)
(レビュアー:大島栄二)
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