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benzo
『Day By Day』

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 昔のことを良かった良かったとばかり言っているのでは何の進歩もないし、自分の心が過去の土地に埋葬されていることの証でもあるから注意が必要だ。だが、そのことが過去がすべて今より劣っているということに直結するわけではもちろんない。昔の何かにも良いものは確かにたくさん存在している。このbenzoは1998年にメジャーデビューし、数枚のCDをリリースしてメジャーからは消えた。だがどうだろう、このポップさは。個人的にはこの鍵盤の揺れる音色がシティポップの要だと思っているのだが、じゃあこの音色を使えば幼児でもシティポップを奏でられるのかというとそんなこともなくて、彼らの根っこにある何かがポップさを構成する何かを生み出しているのだろう。彼らがバンドを結成した1992年は80年代のシティポップムーブメントが大きな盛上がりを終了させた頃で、ムーブメント自体が下火になった時代だっただけにバンドとしての大成もならなかったが、それも彼らの巡り合わせだったというしかない。だが2010年代半ば頃から再び(?)巻き起こっているシティポップブーム。benzoもまた再結成し、地道に活動を続けているということでなにより。ボーカルの平泉が並行してやっているバンドCOUCHも今年新作をリリースしたし、昔からのことを今でもキッチリと続けているミュージシャンを見ると、それだけでなぜだか嬉しくなってしまう。
(2017.4.1) (レビュアー:大島栄二)
 


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