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高井息吹と眠る星座
『フィナーレ』

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 ナチュラルな変わった人というのは時折現れるが、その頻度はやはり時折であって、なおかつその変わりぶりが表現に向かうことがその中でも稀だったりするので、そういう人に出会ったらとりあえず注目しておくのが大事だ。注目して、見続けているうちにその変わりっぷりが実はメッキであることが理解されてくる場合もあって、でも、そうだとしてもそれが判明するまでには少々時間がかかる。職業柄また経験上、そういう人の醸し出すオーラには敏感だと思うし、純金なのかメッキなのかを見極める術も多少は持っているつもりでも、確実にそうだと言い切るには勇気もいるものだが、この高井息吹という人は、かなりの確率で、希有な価値を内包した、メッキではないナチュラルな変わった表現者だと感じる。確信とまではいかないけれども、強く感じる。だってそうでしょう、この動画を見ただけでもその片鱗は鱗粉としてバッサバッサと降り注いでいる。こういう人が普段の暮らしの中でどういう態度をしているのかというと、そこにはけっして定型などないのだけれども、至って普通の常識人というような印象の場合が多く、でも行動の端々から「アレッ?」っという仕草が見て取れたりして、面白いんだけれども、一緒に仕事をしたりするのは結構大変なのではないかと思ったりする。いや、この高井さんがそうだといってるわけではないんですけどね。最近はCMなどで使われることも多いらしく、そういう活動を通じて「音楽でメシを食っていく」という基盤が出来れば、多少変わった人であっても表現活動を続けていくことがより可能になっていくので、そうなればそういう表現を享受する機会が安定的に確保されるので、とても喜ばしいことだけれども、やっぱりこういう人の表現は、生でライブで観るのが一番だろうと思います。こんなに情熱的な歌と演奏を披露したあとに、どんなMCをするんだろうかとかとても興味が沸きます。事務所に何かを言わされたりするようなことが実質的にきっと無いであろうことは容易に想像できるし、だからこそ、一期一会のエキサイティングな空間が生まれ続けるのは間違いないでしょう。
(2017.3.28) (レビュアー:大島栄二)
 


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