ケトル『どれくらい、どのくらい』 Next Plus SongThe xx『On Hold』

deronderonderon
『KICK ME ASS』

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 この踊りまくるMVというのはフレデリックの影響なのだろうか。いや、確かにフレデリックが踊りMVのバンドという印象は最近強いものの、そもそもミュージックビデオの黎明期にはマイケルジャクソンという踊りMVの元祖がいたわけで、だから踊りまくりのMVをやったところで誰かの影響とか誰かのパクリとかいうのはそもそもまったくおかしな話なのかもしれない。まるで映画ですかというようなMVが多すぎるくらいの時代に、こうやって踊りまくりのMVを作るバンドはもっともっと増えて欲しいくらいです。この動画のコメント欄には「サカナクションの新宝島っぽい」というのがあって、どれどれちょっと見てみようとググってみたら確かに踊ってるけれども、主に踊っているのはチアガールズの皆さんで、サカナクションのメンバー自体はそんなに踊っているわけではなかった。楽曲の方が似てるのかといえば、そりゃあキーボード音が目立っているのとビートのあるサウンドということなので似てると言えば言えなくもないけど、基本的にまったく違った曲であり違った音楽です。それより、それよりですよ、ところどころに詰めの甘いところがあって気になります。まず、カメラの位置が被写体を完全に画面の中央に収められていない。こんなにピンスポたくさん使った場所を押さえて撮影しているにも関わらず、カメラが被写体を真ん中に収めなくてどうする。それと、ドラムの人のダンスが微妙。1:47あたりでは振付けが1人だけ違ってるので、多分間違えてますね。そして曲終わり4:15では飛び蹴りをした後に決めポーズで止まるところ、彼女だけは止まれずによろけてて、ベースの人が心配そうに視線を向けてる。これ、撮り直しはできなかったのだろうかとも思うけれども、できなかったんだろう。撮影場所の延長料金がどうだとか、そういうこともきっとあったのだろう。でも、それも愛嬌だという気もしないではない。deronderonderonの他のMVを見てみても別に踊りまくりではなくて、普通。だから踊りまくりMVには初チャレンジしたのだろうし、そのチャレンジ精神の方が重要というか(僕はいったい誰目線でレビューしてるのかわからなくなってきたけれども)、とにかく、詰めの甘さは指摘しつつも、過去のMVに較べるとはるかに楽曲は引き締まった感じでグイグイ来てるし、それが画面全体から滲み出るというよりもスパークしてくる。なにか一皮も二皮もむけたなという感じで、とても好感持てる。
(2017.2.28) (レビュアー:大島栄二)
 


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