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音には厳密には季節などと関係があるはずは無いのに、この曲はやっぱり夏だなあと感じざるを得ない。なんなんだろうか。このベースの単音の連なりがそう感じさせるのだろうか。異論はあるだろうけど、このベースはとても心地良いなあと思う。30年ほど前に日本にもチョッパーベースを売りにするベーシストが何人も現れて、これみよがしに間奏部分でベースソロを披露したりしてて、まあそれはそれでカッコよかったのだけれど、こういうベースを聴くと、特別な技を使ってるわけでもないのに心に響いてきて、地味なのに曲の主役になっていて、ああ、基本の技術って大事なんだなあと思う。あとは、その基本の技術を表現に昇華させるのは、プレイヤーのセンスなのでしょう。いつのまにかベースは4本弦だけじゃなくて5本弦とか6本弦とかも普及し始めて、場末のライブハウスでもあまり珍しくなくなったりしてるけど、そういうすこしばかりトリッキーな機材に手を出す前に基本の何かで表現というものはできるんじゃないかとか、ちょっと思います。ええ、もちろん5弦6弦のベースでしか出せない低音というものもあるので、絶対に意味がないとか言うつもりはまったくないのですけどね。でも、そういう機材の特殊性などまったくない状況から生み出される特殊な音にこそ、僕は心が揺り動かされるようなきがするのです。あ、夏のサウンドってことでしたよね。なんでしょうか、夏のエネルギッシュなのにもの哀しいという、そういう感じ。特に真夏日で日中すんげえ暑いので絶対に外に出たりしないぞと固く決意しているのに、夕方になってちょっとだけ涼しく(それでもほぼ30度なんだけど)なって、川縁に行ってみると自分と同じように人が外に出てきているような、そんな感じを妄想させてくれる、こんな曲はとてもいいなと思います。何故そう聴こえてそう感じるのかはやっぱり謎ですが。
(2016.8.4)
(レビュアー:大島栄二)
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