LILI LIMIT『Festa』
ラブリーサマーちゃん『私の好きなもの』
ZELDA
『Ashu-Lah』
ツイート
2016年の今からこの音楽を、バンドパフォーマンスを見て、初めて見る人はどう感じるのだろうか。1970年代終わりにYMOの成功がムーブメントを起こし、1980年以降日本でもテクノ/ニューウェーブの流れが出来るが、ZELDAはその先駆けといえる。パール兄弟や有頂天などよりもかなり前に登場しているし、全員女性のガールズバンドとしても草分けだった。いや、まあそんな歴史的背景はどうでもいい。今聴いても古さはほとんど感じられない。その後80年代後半のロックバンドブームに登場した女性シンガーたちのCDを今聴き直すとけっこう痛かったりするのだが、その痛さとはまったく無縁の、別次元のオリジナリティで迫ってくる。それだからニューウェイブやロックのムーブメントを当時牽引する力になったのだろう。テレビでは歌謡曲ばかりが流れていた時代に、こういう音楽を求めたリスナーがいて、こういう音楽を表現しようというアーチストがいて、それはとても幸運で希有な出来事だったように思う。その時代感を後追いで理解するのはとても難しいとは思うが、今のバンドがどんなことをやればこの頃のリスナーに与えた衝撃に近い何かを表現したと言えるのか、例えることさえ出来ない。それにしてもよくこんなに鮮明な映像が残ってたな。VHS以下の映像がかろうじて残ればいい方だという時代の、貴重な映像だといえよう。
(2016.6.11)
(レビュアー:大島栄二)
ARTIST INFOMATION →
このレビューは、公開されている音源や映像を当サイトが独自に視聴し作成しているものです。アーチストの確認を受けているものではありませんので、予めご了承ください。万一アーチスト本人がご覧になり、表現などについて問題があると思われる場合は、当サイトインフォメーション宛てに
メール
をいただければ、修正及び削除など対応いたします。