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canalclan
『夜の女王』

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 少しばかりハスキーな女性ボーカルが乗っかるのはファンクなサウンド。「ディスコリバイバルをキーワードに、80sディスコを現代風のダンスミュージックへと昇華したような音楽」とHPにはある。カッコいい。こういうテイストの音楽をファンクと言うのかディスコと言うのかは人によって、世代によって違うのかもしれないが、ただただ勢いだけで突き進もうとするロックバンドとは違って、一定の音楽的素養と演奏技術がなければ表現することができない種類の音楽であることは間違いないだろう。このバンドは今年の2月にバンド名を変えている。元の名前は偽電気ブランだった。昨今はちょっとでも目立たなければと思うのか、変なバンド名をつける競争のような現象があるし、そしてそういう名前のバンドが実際に目立っている。風変わりな名前でなければググってもヒットしないし、ヒットしなければ存在しないも同然な時代。それ以前に名前が一瞬でも記憶に残らなければググってさえももらえない。だから風変わりな名前を付けることにも意義はあるのだが、彼らのように目立ちやすい名前から英単語でもないサラリとした名前に改名するというのはその流れに逆行していて興味深い。ここからはあくまで想像に過ぎないが、彼らのような音楽性の音楽はある意味王道であって、その成否に風変わりなバンド名は却って妨げになると考えたのではないのだろうか。多少パンクな音楽のファンであれば自分が好きなバンドの名前を友人に伝える時に、風変わりな名前であればあるほどそういうバンドのことを知っていることがある種の勲章にもなる。だが、こういうスタイリッシュな音楽のファンにとっては、友人に対して「○○というバンドが最近好きだ」と伝える時、○○が風変わりでは気恥ずかしくなるだろう。数年の活動があるバンドにとって名前を変えてリスタートするのはリスクだけれども、メリットデメリットを様々考えた上での決断だろうし、長い目で見れば、彼らの改名はプラスになるように僕は思う。

(※2017.8.8時点で動画が削除されていることを確認しています。レビュー文面のみ遺しておきます。)
(2016.4.26) (レビュアー:大島栄二)
 


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