БALKANSKY『BRAT』
Animal Collective『FloriDada』
hotspring
『Touch Me I'm Sick』
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ハードな音当りながらも歌のメロディが豊かで、各楽器の奏でるフレーズもキャッチーなこのバンド。2007年に大分で結成でもうかなりのバンド歴があるのだが、そのメロディアスさとハードさは以前からずっと変わらない。だが5年以上前の曲を聴いてみるとどこかしらゆったりとしたリズムで歌われていて、今聴くと歌謡曲的な印象を受けたりもする。だが今年早々に公開されたこの曲を聴くとテンポもかなりアップされていて、リフの刻み方も細かく鋭さを増している。個人的にはテンポアップの必要など無いし、最近のテンポアップ競争のようなバンドの曲を聴いて苦々しく思っているのだが、彼らの過去曲をゆったりしていると感じてしまっているということは、そんな僕も無意識のうちに速いテンポを求めてしまっているのかもしれない。その認識を前提に考えてみるのだが、テンポを増したこの曲を聴いて苦々しく思っているのかというとまったくそうではなく、むしろ、さらにカッコよくなっているなと感じる。どういうことなのか。要するに速いテンポ自体は時代が求めている要請であり、バンド、特にロックバンドを自認する者たちはそれに応える必要があるのだろう。しかしただ速くするだけでOKなのかというとまったくそうではなく、当然メロディやリフ、そして何より感情こもった歌を含んだトータルの表現力がなければダメということなのだろう。彼らhotspringはミッシェルガンエレファントなどの系譜に連なるバンドだと思われる。それが単なるフォロワーに過ぎないのか系譜を継ぐものになるのかは彼らの努力とちょっとした運によるのだろうが、実力としてだけみれば十分すぎる何かを持っていると言えるだろう。活動歴はもうすぐ10年になろうとしているのだから、そろそろ大ブレイクしてもらいたいところではある。
(2016.2.16)
(レビュアー:大島栄二)
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