昨日のレビューでLucy Van Peltについて触れたので今日はそのLucy Van Peltの曲を。ネオアコとか渋谷系とか言えば言えるのだろうけれど、そういうのはやはり単なる後付けの形容詞に過ぎない。当時は今ほど情報が溢れてなくて、CDショップ店頭が音楽を知る主要な情報源だった。そこに見知らぬ名前のイラストジャケットのCDが積まれて、スタッフによる熱いコメントカードが添えられていれば、何の躊躇も無く手を伸ばすようなリスナーとショップの関係性は存在していたように思う。Lucy Van PeltのCD『advantage Lucy』はタワーレコード新宿店で平積みされてて、ポスターも貼られて強烈なインパクトを与えていた。買って、聴く。イイぞこれと思ったらもう愛聴盤になる。期待を裏切るようなCDもたくさんあったけれど、こういうステキな出会いもたくさんあった。翌年にはバンド名を変えてメジャーデビューした彼らだが、個人的にはまだインディーだった頃の、リスナーや業界に媚びることなく淡々と心象風景を切り取るような作品たちが好き。どこか頼りなげで、弱々しい雰囲気を持っていて、でも、絶対に曲げない何かもちゃんとあるというような、さほど背伸びをしない等身大の清々しさがあった。多くのバンドが出てきては消えていき、彼らもそういうバンドのひとつだったのだが、同時代の多くのバンドの中でも一際輝いていた存在だったと思う。セールスの多寡とは別の意味で。この動画はLucy Van Pelt時代の曲をadvantage Lucy時代に演奏したライブの模様。ややこしいなあ。