行方不明『ロマンス』
Kurt Vile『Pretty Pimpin』
カトキット
『雨ニモマケル』
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いろんな声があるなあと思う。正統派ボーカルとかいう何らかのイメージというものはあって、もちろんその中にも幅というものはあり、大多数のボーカリストはそのカテゴリーに組み込まれる。そういう声と違う声のことをなんというか、特殊な声と言えばいいのだろうか、昔からREBECCAのNOKKOやジュディマリのYUKIなどの声は特徴ある声として正統派カテゴリーの外にあり、正統派とは違う声に心地よさを感じる人たちの支持を集めたものだが、その声の種類が多岐に渡ったことは、メジャーがほぼすべてという時代の音楽シーンにはあまりなかった。しかしインディーズが次から次へと新たな音楽を出し、それがネット上で誰の耳にも届きやすくなったことで、非正統派な声もまた幅を広げていった。カトキットのあっけさんの声もまたかなり特殊、いや独特な声で、こういう声質でささやくように歌っている人はいても、結構な声量で張るように歌うボーカリストを見たことはない。もちろんリスナーの好き嫌いははっきりと分かれるかもしれないが、どこかで別の曲を聴いたとしても「あ、あのバンドの声だ」とすぐに判るだろうし、そういうことはこのバンドの大きな武器になると思う。このビデオは演奏中の彼らに水が浴びせられ、後半では小さなボールが浴びせられる。ファン同士で話す時に「あのボールのビデオ」と言えば通じるだろう。ビデオの作り方として、そういう引っ掛かりがあるというのは重要なことで、声でも映像でも印象に残りやすいこのビデオは、やはり秀逸なビデオと言って間違いないだろう。好き嫌いは当然あるだろうけれども。
(2015.11.17)
(レビュアー:大島栄二)
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