桐嶋ノドカ『風』
Youth Lagoon『Highway Patrol Stun Gun』
Route48
『take away』
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ロックバンドにとって、歌か演奏かというのは最終的な答えがない命題のように思われる。歌が大きすぎると歌謡曲のように聴こえる。かといって歌が小さすぎれば声量の足りないボーカルと映ってしまう。それをスタジオで録音してミックスする時に延々と確認をするのだが、個人の家には到底置けないような大きなスピーカーと、音楽好きなら持っていそうなモニタースピーカーと、チープなラジカセ(死語?)程度のスピーカーで聴き較べてもどれも違うし、何がなんだかよくわからなくなってくる。そのうちに作業は深夜にさしかかって、さあ適切なバランスを決定しろと言われても疲労困憊しているバンドマンにそんな判断はかなり困難。その結果その時点で最高と思えたバランスが睡眠十分な自宅のヘッドホンで聴いた時に「なんだこれは声がショボい」ということになる。そんなことは日常茶飯事だ。そんな中、このRoute48というバンドの曲は、歌か演奏かの究極の問いにきちんと答えを出している。そんな気がする。歌を聴きたい人は歌が聴こえ、でも歌だけが浮いたりすることなく演奏に楽器の一部であるかのように溶け込んでいる。そんなの当たり前だろと素人は言うだろうが、これはかなり希有なことだと僕は思うのです。まあ、僕が今聴いているスピーカーじゃない何かで別の人が聴いた時にも同じ評価が出来るのかはまったく保証できないのだけれども。
(2015.10.6)
(レビュアー:大島栄二)
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