Galantis『Peanut Butter Jelly』
Sacra e sole『スピカ』
WOMCADOLE
『綺麗な空はある日突然に』
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曲の展開がAメロBメロサビサビダッシュ的な古典的展開であるということから逃れようと複雑な展開やリズムに向かうバンドもいれば、歌モノであることから逃れようとインストに向かうバンドもいる。もちろんその意図がそういうものではなく単純にそういう音楽が好きということであるのかもしれないけれども、ほとんどの人が幼少期に古典的展開の童謡を聴いて基礎を作っていくことから考えれば、その場所を基点に創造の第一歩は生まれているのだと思うし、だから、そこから離れようとする意識の底には、逃れようという無意識の意識があるのだと考える。一方でそういう古典的展開から逃げることなく猪突猛進して音楽を作ろうとする人たちもちゃんといて、基点から動かずに何かを作ろうとすれば、それは新しいという価値ではなく、自分たちの魂の熱さを焼き付ける何かということになるしかないのだろう。その試みはある種の愚かさと背中合わせなのだが、愚かさをきちんと保持することでしか魂の熱さを持ち続けることは出来ないという意味では、こういう若い人の愚かな熱さが、とても頼もしく思えてくる。こういう愚かしい熱さを耳にして心が動かないのであれば、もはやその耳とその先にある心は冷えている、冷めている、収まっていると考えた方がいいのだろう。そういう意味でこういう音楽は、若者よりも大人に、自らのリトマス試験紙へのチャレンジとして聴いてもらった方がいいのではないだろうか。
(2015.9.24)
(レビュアー:大島栄二)
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