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PERSONZ
『DEAR FRIENDS』

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 80年代の日本のロックシーンは、2015年からは想像ができないくらいの盛上がりで、例えていうならば歴史物の中では幕末が大人気というのにも似て、時代が変わるぞ的なうねりが確かにあった。当然様々な登場人物が出てくるわけで、布袋や清志郎が西郷や龍馬のようなエース級だとしても、それだけでムーブメントが起きるわけではなく、個性豊かなメンバーが沢山、これでもかというくらいに登場しては当時の若者を熱狂させた。そんな中でPERSONZというのはどういう存在だったのだろうか。厚塗りでコワモテのJILLは肝っ玉な感じで、ああ、こういう人はクラスにいたよなと思わせてくれる個性的なボーカリスト。けっしてシーンの中央位置を占めるようなバンドではなかったが、誰もがその存在を無視できない、そんな感じだったように思う。もし歴史小説を書きまくった司馬遼太郎のような人が現れ、80年代日本ロックシーンの小説を書きまくったとするならば、PERSONZも必ず題材として取り上げられるだろう。『峠』に出てくる河井継之助程度には、いや、それよりももっと重要人物(バンド)だったといってもいいだろう。そんなPERSONZも30周年。このレビューの翌週にはアルバムが発売になり、ほぼ1ヶ月後には武道館ワンマンが開催されるとのこと。最近のJILLの写真は少しばかり頬も痩け、年齢を感じさせるものの、化粧の濃さと髪の毛の盛り具合は以前と何も変わらない。この人はJILLという存在を生涯演じ切るのだなと確信させられ、胸が熱くなってくる。
(2015.5.30) (レビュアー:大島栄二)
 


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