小坂明子『あなた』
Laura Marling『Short Movie』
SHEENA & THE ROKKETS
『You May Dream』
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一昨日の夜に訃報。シーナさんが亡くなられた。僕がビクターで宣伝をしていた頃、退職するまでのわずか3ヶ月ではあったが、最初で最後のアーチスト担当をさせていただいたのがシナロケ。有名人の訃報には反応しないのが主義だが、今回ばかりはご冥福をお祈りしたい。思えばそれは平成4年のことだから23年前のこと。享年61歳なので当時38歳だったということか。今の僕より遥かに若い。ベテラン中のベテランバンドと思っていたが、まだ若手といってもいいくらいだったのかもしれない。ヒットスタジオに登場した80年代の彼らの音楽は、ロックといってもさほど過激ではなく、今の曲だってさほど過激というわけではない。だが、その経歴というか、とにかく続けているということがなにより驚きだし、尊敬に値する。訃報の日の午前中には若手シンガーが活動休止をしたというニュースが流れ、僕は「なんだその休止というのは?」という内容のツイートをした。精神的に揺れているのかもしれないが、ある程度ファンが支持してくれていて、どうして簡単に活動休止などといえるのだと正直思う。もちろんアーチストはファンのためにあるのではなく自分の表現のためにあるのであって、だからファンがどう思おうと関係ないと言われればそれまでだ。しかし僕はシナロケのことを思い出す。僅かなアーチスト担当の頃に一緒に行ったラジオ収録のスタジオで、当時43歳のロックスター鮎川誠が僕のような若造に「ここのパーソナリティーはどんな人なの。何が好み?」と質問してきて、俄に答えられずにいると「もっと頑張って俺たちを売り込んでよ」と励ましてきた。自分の表現を大切にしている人は、ファンへのアプローチということを実に大切にしているんだなとその時思い知らされた。ロックは瞬間的なパッションである。だがそのパッションを結実させていくには、水鳥が水面下で常に水をかいているように、地道な努力の積み重ねが必要なのだろう。そんなこんなの積み重ねも、バンドの看板シンガーであるシーナさんの死によって止まる。健康というのは大切なものだな。あらためてご冥福をお祈りします。
(2015.2.16)
(レビュアー:大島栄二)
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