Seu Jorge『Japonesa』
小坂明子『あなた』
ココニカカル
『生きてる』
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エモーショナルと言えばいいのか、それともそれは違っているのか。近年はジャンル分けも微に入り細に入り、結局どんな音楽がそのジャンルを指すのかはよくわからないことになってしまっていると思う。なのでこれがエモかどうかは本当に判らないのだけれど、感情がとても込められている曲であり歌だということは間違いないだろう。ただ、このボーカルの籠るような声の出し方歌唱法は、曲の中で静寂と絶叫のメリハリを付けるというものとは対照的に、感情の起伏を平たくするような効果がある。演奏が高音域の音色を多用することでカラフルな仕上がりになっているのとは対照的に、曇りガラスの箱の中に入れられた発光体のような、鈍い光を放っているようだ。それがこの曲ではとても効果的に活きているように感じられる。その結果、歌が歌として感情を発するというより、むしろ楽器のひとつとしてただそこで鳴っていて、ある種のアンビエントミュージックのような独特の存在に昇華しているようにさえ思われる。それはボーカルが中心に在って「より人間らしい言葉(HPより抜粋)」を伝えようとするバンドにとっていいことなのか悪いことなのかは別にして、ある種のBGMとして知らないうちに側で鳴っていることが使命であるかのような、そんな不思議な音楽として僕には響いてくる。
(2015.2.13)
(レビュアー:大島栄二)
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