Ásgeir『Torrent』
swim me『home』
廻猫
『症候群』
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ヘビーで速くて絶叫で演奏テクもあるというバンドが本当に多い昨今、実力はあるのに結局目立てないという状況に多くのバンドが陥っていて、まあそれは結局はオリジナリティを打ち出せないのがいけないのだと言えるわけだが、そう考えたとき、この廻猫にはなぜだかスルーできない引っ掛かりを感じてしまうのだ。なんだろう、なんなんだろうと懸命に考えてみたら、やはりこのダサさ、泥臭さ、それが結局はカッコいいんだろうと思った。スタイリッシュさとは対照的なスタンスでひたすら演奏する、絶叫する。かといって「オレらのことなんて誰も聴かなくてもいいぜ」というような厭世観もストイックさもなく、だから、ダサイんだろう、そしてカッコいいんだろう。このカッコよさは普通に生活してテレビに出てくるような音楽だけで満足できている人たちにはまず届かないものだが、不器用な生き方をしてて、器用に生きたいと思ってるのに叶わずに不器用な、実は若者のマジョリティといってもいい人たちには、なんとかすれば届くのではないかと、ちょっとだけ他人事のように思った。
(2015.1.29)
(レビュアー:大島栄二)
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