アンテナ『少年トランスファー』
サザンオールスターズ『ピースとハイライト』
ジョゼ
『Gravity Sky』
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速くて少しばかり特徴のある声質のバンドというのはJ-ROCKに最近とても多くて、だからどれを聴いても「またこれか」と思うのがほとんど。同様のことはロックファンの人たちも感じることだろう。だから離れる。ロックから離れる。ファンが離れるからシーンが沈滞し、盛上がらないライブの繰り返しに徒労感だけが蓄積し、ミュージシャン自身がやがて音楽から離れていってしまう。このジョゼも数年前はそんな速いだけバンドのひとつだったが、このところの曲にはそこからの脱皮が感じられる。その試みは自らのスタイルを一度壊す作業である故に簡単ではないのだが、そういう困難に挑むことでしか、現状を変えることができないのは音楽に限らないこと。で、結果として出てきた曲は比較的シンプルで、シニカルでありながらも希望の光を感じさせるものだった。とはいえまだまだ複雑さを持っていて、一般のリスナーにどのくらい響くのかは僕にはわからないが、こういう挑戦をするバンドの活動にはエールを送りたい。ミュージックシーンの希望のためにも。
(2015.1.21)
(レビュアー:大島栄二)
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