永井龍雲『想い』 Next Plus Songindigo la End『瞳に映らない』

ホッタモモ
『わたしのはちみつ』

 喉から口の外に音が抜ける直前に一度どこかの回路を経由して変化して増幅してるような印象の声が脳にこびりついて離れない。こういう声のシンガーはいつの時代にもいて、だから耳にすると懐かしい気分に浸ってしまう。だがそれは特徴ある声のみの作用なのではないだろう。ホッタモモという人の書く歌詞は具体的なストーリーに満ちているわけではなく、比較的断片的なシーンを重ねていくように描かれている。それは脳に具体的なイメージを結びにくいというハンデを負っているため新人にはリスキーな手法ではあるのだが、この曲は絶妙なバランスで、暖かい風のなかに揺られているような心地良さを生み出し、聴いていて安堵の感覚に浸ることができる。この人の他の曲と較べても、サビの波状的なシャウトがとても印象的で、ジワジワと心に迫ってくる。このライブが行われている会場が独特なのか、部屋の外から遊ぶ子供の声が混じって聞こえてくる。そういうのも、この曲の心地良さには相乗効果を生んでいるようにも思える。
(2014.12.29) (レビュアー:大島栄二)
 


   
         
 


 
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