BUCK-TICK『惡の華』
浅川マキ『夜が明けたら』
たいへんにんげん
『名前をつけるとするならば』
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モヤモヤしている気持ちってある。それは嬉しいのか悲しいのか楽しいのか苦しいのかもよくわからず、ニヤニヤしていればそのうちに忘れてしまえる程度のものだと思い込みたくて、でも時間が経ってもやっぱり心の隅に引っ掛かってて落ちてくれない。だからずっとモヤモヤして、自分がどうして行けばいいのかも判らなくなって立ち止まってしまって立ち止まったきり。ネットで他人の意見や日常を垣間見てはまた動けなくなる。そんなことを、見事に歌ってくれている。歌というのはただメロディが美しいとか、励ましてくれるメッセージを届けてくれるという価値ももちろんあるが、こうやってモヤモヤした何かを感じているのは自分ひとりじゃないんだということを明確に示してくれるという価値もあるんだと再確認させてくれる。それはかつて青島幸男が1960年代に「金のないやつぁ俺んとこへこい俺もないけど 心配すんな」と歌にしたような、そんな根拠の無い励ましにも似て。
(2014.12.15)
(レビュアー:大島栄二)
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