バンドごっこ『雨の日の恋人』 Next Plus SongA Month of Sundays『ミラージュ』

原田知世
『くちなしの丘』
　画面の向うに在る人はいつまでも朽ち果てることはない。だがそんな当たり前のこと以上に本当に朽ちず色褪せない人がいるのは事実。原田知世という人はそんな希有な人の１人だと思う。現代では画面の向うに居続けることが難しく、ことあるごとにプライベートを画面のこちらに引きずり出されてしまう。中には自ら私事を差し出して炎上することで生命を保つ人もいて、そんな人の捨て身の華々しさの傍らで淡々と画面の向うに居続けることは、現代においては一種の奇跡ということなのかもしれない。そういう奇跡は、生きているうちに愛でておこう。そんなことを、昨日駆け巡った高倉健の訃報に際して思った。いなくなってから慌てて思い出すのは騒々しすぎるし、軽すぎるじゃないか。いや、高倉健と原田知世には何の関係も無いのだけれども。
(2014.11.19) (レビュアー：大島栄二)
 

   
         
 


 
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