Polar M『Darkblue Sky』 Next Plus SongNatacha Atlas『Amulet』

さよなら、また今度ね
『クラシックダンサー』

 バンド名からして変化球のバンドの歌詞がまたもや変化球で、作るビデオがこれまた変化球的ななにかだったとしたら、もうそこには変化球しか無いのだろうかと思うし、それが好きな自分は楽曲がどうとかではなくて変化しているというそのこと自体に魅力を感じているのであって、別にバンドでなくとも噺家であっても構わないのかもしれないと時々思う。世紀末を乗り越えてなお世紀末的な様相を呈している昨今にはもはや直球を正面から受け止めたりしているとすべてが無駄な労力という気分にもなってくるし、刹那をどうやってやりすごそうか、別に40年後の自分の暮らしなど想像している余裕なんてありませんという、若者世代に彼らがウケるのはよくわかる。というかオッサンの僕にだってこれは届く。とかなんとか思っていたら、こういうそんなに変化球でもない直球な曲をぶつけて来て、なんだよおまいらやればできるじゃんと思ったりして、そして別に自分は変化していることそのものが好きだったんじゃないんだと確認出来てちょっと嬉しい。落語聞きにいかなくてもいいんだなと。でも変化球を待っている打者に有効なのは豪速球だというのはピッチングのセオリーでもあって、だからこれは変化球を待っているファンに対する最高の変化だったのではないかと勝手な深読みをしてしまう。やはり落語を聞きに寄席にいった方がいいのだろうかオレ?
(2014.11.11) (レビュアー:大島栄二)
 


   
         
 


 
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