syrup16g『生きているよりマシさ』 Next Plus Songイヌスターヅ『なつのうた』

fula
『apologyman』
　ポップで自由でいいですね。こういう音楽を聴くとなんとなくフリッパーズギターを思い出します。歌メロは結構メロウなのに、使われている音やフレーズや奏法が妙に明るくて、聴いていて複雑な感情に襲われる。でも後味サッパリすっきりという、そんなテイストはなかなかありません。フリッパーズギターの時代はとにかくそういうのが新鮮に感じられたし、新しいポップがやってきたというワクワク感があったけれど、今のようにすべてのジャンルが出尽くした2010年代半ばに、こういう音楽はどのように聴こえるのか、その辺はもはや想像することさえ出来ず、ただただ自分で聴いて自分で納得する結論を心の中だけで出すという作業になるような気がします。20数年前のあのバンドも日本で売れることなどあまり考えてなかった（ように見えた）ように、このfulaというバンドも（本心はどうかわからないけど）たたずまいは呑気で自由にただ音を鳴らしているだけのように見えます。売れる気満々目はギラギラというよりは、よほどこういう音楽にはフィットする態度のように思うのは僕だけでしょうか。
(2014.10.24) (レビュアー：大島栄二)
 

   
         
 


 
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