POOL-0『還り道』 Next Plus Song赤色のグリッター『あのね、きいて?』

惑星のかぞえかた
『少年少女』

 もはや文章なのか曲のタイトル、言葉遊びなのか、分からない日本語のバンドが増えているが、“惑星のかぞえかた”も独特のものを感じた。そして、石坂智子のボーカルからも感じられる、現代の「うたもの」と呼べるような朴訥さと、このライヴではマリンバやクラリネットのサポート・メンバーを加えた、優しい音の中にリフレインされる“淡さ”。つい、劇的で奇矯な音楽に耳を奪われてしまいがちになるが、たとえば、その年の流行語の一覧リストを見て、そんな一年だったのか、と思わない人もいると察するに、日々暮らしをおくっているときに、関係ある事象とは実のところ、どれだけあるのだろうか。近所の花の芽吹きの気配、鳥の鳴き声、朝の天候、食卓での夕餉、夜空の星、季節が変わる風の匂い、休日の計画、突然の雨にうたれたことなど、幾つもの淡く小さく、他愛のない瞬間が想い出に同化してゆく大切さを考えてみると、言葉遊びで決めたという惑星のかぞえかた、とグループ名も彼らの音楽を聴くと、腑に落ちる。
(2014.5.5) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
 


   
         
 


 
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