アシタカラー『パスタ』 Next Plus Song夜明ケマエ『ブルーサンダー』

中村好伸
『山の陰から』

 頻繁にTVに出ている多忙でどちらかというと、イメージでは好戦的なある芸人が好きな音楽にゴンチチをあげていた。察するに、それはTVというハレの場に比しての単なるヒーリングとしての文脈ではなく、オフ(日常)の気持ちのスイッチングのあと、モードを切り替えるためにはあまり過剰な音楽は日々のなかで非=適応であるという背景も感じた。同じようなことを押尾コータローのライヴで、筆者は思ったことがある。そよ風のように巧みにギターが爪弾かれるが、その場の空気を拒むことなく、“調和”するように、溶け込んでいた。押し付けがましさがなく、瞬間の閃きで「場を読む」感覚に長けたアーティストのサウンドはどんな環境、心理状態でも、すっと受け手の生活に馴染んでくる。2001年から堅実に活動を重ねる中村好伸のアコースティック・ギターを基軸にした音風景もそういうもので、人肌の暖かさと自然の柔らかさの間にある優しさを縫う。また、彼の音を巡って、それぞれの記憶や想い出を自然と仮託する人もいるのではないだろうか。
(2014.4.16) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
 


   
         
 


 
 このレビューは、公開されている音源や映像を当サイトが独自に視聴し作成しているものです。アーチストの確認を受けているものではありませんので、予めご了承ください。万一アーチスト本人がご覧になり、表現などについて問題があると思われる場合は、当サイトインフォメーション宛てにメールをいただければ、修正及び削除など対応いたします。