:PAPERCUTZが日本で知られていないのはあまりにももったいない。重層的で密度の高いアレンジメントが持ち味の、このポルトガル出身のエレクトロ・ユニットは、作品の驚くべきクオリティに比してその知名度は低い。この「Rivers」は昨年に上梓された彼らのセカンド・アルバム『The Blur Between Us』の収録曲であり、彼らの特性が非常によく現れている楽曲だ。北欧的とすら言いたくなるような荘厳な雰囲気に包まれており、トライバルなビートの上で飛翔するメリッサ・ヴェラスのヴォーカルもたまらなく魅力的だ。そのヴォーカルは、ブルーノ・ミゲルが構築する緻密なトラックにも引けを取ることがなく、聴き手にせまってくる。メロディーは反復的な要素がほとんどだがまったく飽きさせることはなく、むしろ中毒的要素を含んでいるとさえ思えるのは、トラックが不断の変化を続けているからだろう。この曲が気に入ったら、迷わず『The Blur Between Us』を購入しよう。後悔することはまずない。