中山うり『回転木馬に僕と猫』 Next Plus SongHauschka『Only You』
Babi
『owl』
 フクロウの鳴き声(梟笛?)と、空間で明滅するようなヴォイスの孤独な断片(salyu × salyu的と言えるだろうか。ミキシングは美島豊明。)からスタートするこの曲は、Babiの他の作品と同様に多様な楽器(トイ楽器も含む)や具体音の音色が面白い。ささやかに鳴らされるトイ楽器はどこか微笑ましいし、フクロウの鳴き声はピアノやヴォーカルとともに、全体の雰囲気に統一感を与える。彼女がチョイスした音はデジタルとアコースティックの住み分けなどなく、その境界が崩れたところで生き生きと鳴らされ、彼女の楽曲たちが持つ快楽の大きな要因となる。Babiの音楽性について語る際にしばしばトクマルシューゴが引き合いに出されるが、トイ楽器を用いるという点やミニマル・ミュージックを想起させる反復的な演奏の存在は両者に共通していると言える。差異を見出すとすれば、Babiの音楽性にはトラディショナルなアメリカ音楽が捻れた形で(ヴァン・ダイク・パークス的というのは言い過ぎだろうか)刻み込まれているというところが大きいだろう。この規格外の才能の行方が楽しみでならない。
(2014.2.6) (レビュアー:八木 皓平(やぎこうへい))
 


   
         
 


 
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