フレネシ『メルヘン』
山田稔明『月あかりのナイトスイミング』
アラゲホンジ
『トーキョー・ネイティブ・タイム』
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昨年のヒット・ドラマ『あまちゃん』でも方言にスポットが当てられたが、方言やスラングとはその地域に根差した文化や伝統と密接に結びつく。アメリカの文化人類学者ルーズ・ベネディクト『菊と刀』という著書は日本を訪れることなく、日本について精緻に記したものとして今でも再読される書だが、今、どこにも訪れることなくとも、何かを知った気になることができるイロニーも生まれてしまう。部屋からネットを繋げば、拡がる世界。ただ、それは自分の嗜好上に拡がる限定的なものに過ぎない。このアラゲホンジというバンドのリーダー、ヴォーカリストの斎藤真文は秋田県出身で、その南部の訛りまでをうねるグルーヴに乗せ、しかし、軽やかにオーディエンスを躍らせる。音頭、民謡、お囃子までを今の時代にアップデイトし、バイタルに音楽の懐の深さへ対峙するさまは頼もしい。これで知った人は多彩な他の音源も聴いてほしいと思う。
(2014.1.9)
(レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
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